幼少の頃のです。
ある日、夏になる前の夕方過ぎ、うっすら暗みが出てきた時間に父と兄と私の三人で家の中でのかくれんぼをすることになりました。
じゃんけんに負け私が鬼になり、数え終わっていざ見つけようとしましたがいくら探しても見つからず途方に暮れてました。
全部の部屋を探したつもりでしたが、1部屋だけ奥まったとこにある光が届きにくく、薄暗い部屋には当時の小さな私には怖くて近づけない部屋がありました。そこは、マッサージ器しかおいていない四畳半の小さな部屋でした。
その部屋以外見まわったので、私は恐怖を感じながらも見つけないとという思いに突き動かされて、その部屋に入りました。
今でも覚えてますが薄暗く不気味な部屋でした。
蛍光灯を点ける紐に背が届かず目を凝らして部屋を見ると、マッサージ器の横に体育座りをした物体が見えました。
咄嗟に『兄ちゃんだ!』
と思いウキウキしながら
『兄ちゃん見つけた!』
と体に触れたのですが、何も言わずずっとその体制から微動だにしませんでした。
不思議に思い体全体を触っていくと足はツルツル、頭もツルツル
えっ‥えっ‥と混乱してる間も全く動かない物体
体が恐怖で動かずとても長い時間に感じました。
時間が経つと恐怖で泣くほうが勝り大声で泣き叫びその部屋から走って
『とうちゃーん!にいーちゃーん』
と叫び続けました。
驚いた二人が走ってきて心配してましたがなんと説明していいかもわからず泣いてる私を見て
『見つけれずに一人が怖くなって泣いたんだな』
と話がついたみたいでした。
その後、母が帰宅しみんなで喋ってる時にふとあの部屋にいたのは何だったのか気になり懐中電灯を持ち部屋を見たのですがマッサージ器以外何もない部屋でした。
あの物体はなんだったのか、不思議に思ってます。
作者じゅんのこ
あまり怖い話ではありませんが読んでくださった方はありがとうございます。