中編3
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恐怖の悪戯【二】

俺「あらためて見てみるとかなり立派な建物だな。」

光宙「なんでこんなのが放置されてんのかな。」

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屋敷の敷地への入り口を見つけた俺達はそこから建物をもう一度確認した。

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かなり立派な建物だ。なぜこんな建物が何十年という間放置されているのだろう。

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窓には鉄格子がはめられていてそこからは中に入れそうにない。入り口はどこだろうかと周囲を探していると一部が壊れた窓があった。鉄格子も変形して外れており入るには都合が良かった。

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俺「こっから入ろうぜ。」

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俺達は壊れた窓を越え建物内部へ踏み入った。

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music:5

光宙「なんかわくわくすんなぁ。あの時を思い出すよ。」

俺「あの時ってなんだ?」

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光宙「まだオレと冠が高校生だった頃の秋に肝試ししてさ、結局何もなかったけどあの感覚は忘れられないな。」

冠「本当楽しかったよ。」

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music:4

そんな思い出を懐かしんで探索していると一部の新聞を見つけた。

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【1☓6☓年 ○○地☓ ☓発始☓る】

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経年劣化の為にすべての文字を読み取ることはできなかった。だがそれが光宙の住むアパートのある地区の開発を知らせるニュースであることは理解できた。

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光宙「あ、オレの住んでる所じゃん。古いなぁ、多分50年前の新聞だ。」

冠「この屋敷思った以上に古いんじゃない?」

俺「そうかもな。」

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他に手がかりが無いか周囲を探したが何も見つからなかった。

とその時冠が何かあったかのような顔をして窓の外を見ていた。

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俺「なんかあったか?」

冠「いや、見ればわかるさ。」

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窓の外を見るとそこは深い森になっていた。

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俺「屋敷の外にいた時には光宙のアパートも見えていたのに。」

光宙「なんかおかしいな。」

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俺達は異変に気付き外に出ようとしたが広い屋敷であった為に迷い込んでしまった。

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光宙「やっぱ止めときゃ良かったよ。」

俺「元々はお前が提案したことだろ!」

冠「まぁ落ち着け。別にこの世の物じゃない奴らに追われてるわけでもないのに慌てすぎだよ。」

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冠は俺と光宙を必死に落ち着かせようとした。しかし冠の発言は徐々に覆されていった。

俺達がそんなやりとりをしていた時、

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sound:5

「キィー ポン」

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音が二階から聞こえてきた。

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俺「今のはなんだ?」

光宙「ただの音だよ。アパートでもよく鳴るし気にすんな。」

冠「とにかく出口を探そうよ。」

俺「だな。こんな所に長居するのはキツイしな。」

光宙「分かれて探そう。もし出口が見つかったら大声で『あったぞ』って叫べ」

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ここで一人になるのは危険だ。そんなことは俺達にも分かっていた。

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それでもここから少しでも早く出ていかなければと本能的に感じたのだ。

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俺「じゃあさっさと見つけて抜け出そうぜ。」

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俺達は一人ずつ建物内の出口を探すことにした。入ってきた窓からは相当離れてしまったようで全く出口の検討はつかない。他の窓も鉄格子がはめられていて通れそうにない。

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このまま出れないのでは?

そんな不安を感じたその時

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music:2

「ゔう」

sound:33

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近くから奇妙な声が聞こえてきた。普通ならここで逃げてしまうだろう。

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だがその時の俺は不思議と恐怖を感じなかった。

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そのまま招かれるようにゆっくりと声のほうに近づいていき眼を凝らした。

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するとそこにいたのはこの世のモノとは思えない黒い人の形をした物体だった。

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sound:19

「ぎゃぁーー!」

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我に返り思わず叫び声をあげた。それと同時に俺は失神してしまった。

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失神する直前に苦しむ光宙と冠の顔が見えたような気がした。

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music:4

_____つづく。

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mami様、コメント有難うございます。
初めての作品には1話の長編より複数の続編物の方が経験になるかと考えまして、この様な形で投稿しております。5話というのは目安ですので増える可能性もあります。

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初めまして。mamiと申します。
続編物は、先が気になって気になって…
でも、5作で終わるご予定とか…?
終わるときが分かることは、嬉しくもありますが、どんな風になっていくの?と、興味も津々でございます。
また、楽しみにしております。

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