中編3
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恐怖の悪戯【三】

どれだけの時間が流れたのだろうか。

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長い間失神していた。

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俺は目を覚ました。しかしそこは屋敷ではなく病院の一室だった。怪我をしたのだろうか?体中が痛い。

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ー目を覚ましました!

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看護師の声が聞こえる。どうやら俺は失神している間に病院に搬送されていたらしい。となると気になるのは光宙や冠のことだ。

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俺「光宙は?冠は?どうしたんですか?」

医師「まぁまぁ患者さん、まずその骨折を治してから話をしましょう。」

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医師は2人の事は全く話さなかった。だが俺が体中を骨折して近所に新しくできた総合病院にいることは分かった。不安がよぎった。

一体あの日に何があったのだろうか?

今頃2人はどうしているのだろうか?

あの日の事を毎日考えながら、退屈な病院での時間を過ごした。

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そんな疑問を抱きながらも2週間が経過した。俺は初め個室に入っていたが、順調な回復が見られ6人部屋に移ることになった。

部屋の患者達は皆温厚で精神的にも支えられた。

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部屋を移って数日、いつもの朝食を終えると部屋の端にいた一人の老人に声を掛けられた。谷岡というその老人は、何やら険しい顔をして話し始めた。

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谷岡「お前さんは何をしてその怪我をなさったんじゃい?」

俺「実は、2人の友人と肝試しの様なものをしていまして。」

谷岡「どこでじゃ?」

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俺は素直にあの日の出来事を話した。すると谷岡はやや表情を穏やかにしてこう言った。

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谷岡「お前さんは運が良い。その程度の怪我で済んだんじゃから。」

俺「どういう意味ですか?」

谷岡「小さな山の上にあるたいそう立派な洋館。あそこは元々金持ち一家が暮らしておった屋敷だそうじゃ。だがとある時代、その一家の中で何か揉め事があったそうでな。それから一族は崩壊したから、今その血を引くものはおらん。ただ、対立していたどちらかの方が超能力者を雇っておってのう。それが厄介なんじゃよ。あの洋館もその超能力者によって何かしらの術がかけられているそうじゃ。あそこに行った者で無傷だった者はおらん。近寄らんほうがいいぞい。」

俺「あの、私の他にも2人友人が入ったのですが。」

谷岡「お前さんが生きてるんだ、安心せい。2人はなんとか生きとる。2人があの中身を見ていなければの話だか。」

俺「中身とは?」

谷岡「それはわしにも分からん。ただ恐ろしいものであることは確実じゃよ。まぁ、洋館にいたずらでもしなきゃ【中身】は出て来やせん。」

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俺は少しほっとした。ずっと気になっていた2人が無事でいる。その可能性を知っただけでも、俺の精神状態は良くなった。

谷岡とはとても仲良くなり、谷岡が退院する時には電話番号を交換した。

そして俺にも退院の日がやってきた。

俺の家族は遠方に居るのでそこにはいなかったが、沢山の友人たちから祝ってもらった。しかし、俺は2人がいないことに気付いた。

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俺「光宙とか冠はどうしてる?」

サークル仲間「さぁ?サークルには来てないが家にはいるみたいだぜ。なんかショックな事でもあったんじゃね?」

俺「そうなのか。とりあえずは怪我とかしてないんだな?」

サークル仲間「うん。よく買い物に出掛けてるけど見た感じは変わらないよ。」

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俺は、とても安心した。2人が無事である。その事実を知ることは入院中の俺の夢であった事だからだ。早速俺は、2人の家へ向かった。

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_____つづく。

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mami様、毎度コメント有難うございます。
【四】の件ですが手直しではなくUPの順番を間違えてしまったミスが原因です。
決して怪奇現象ではないのでご安心を。

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気になります!
どんどん、面白くなってきましたね。
でも…夕方に少しだけ覗いたときは【四】もアップされていたような…(T-T)
手直しかな?
お待ちしておりますね。

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