music:2
轟音と共に稲妻がマーラの魔法の壁を
粉砕した。
魔法の壁が破壊されるのと同時にマーラは吹き飛んだ。
マーラは泥濘んだ地面からゆっくりと
立ち上がり
「まだ…こんなものじゃ…」
ヘルシングは容赦なく亞銀弾を額に撃ち込んだ。
「ギャャャャャャャ!」
マーラは頭を抱え叫ぶ
「あんたらに、私は殺せない!」
目から黒い血を流し叫んだ
「許さない…許さない…許さない!」
マーラがは遂に禁断の魔法を唱え
己の肉体を贄として、地獄から怪物を召喚する。
ヘルシング、秋元は強烈な衝撃で動けない。
「何をするつもりなんだ!」
秋元はスイガの剣をマーラに向かって
投げるが波状の衝撃波によって届かない。「この衝撃波が邪魔だ!クソ!」
その時だった…衝撃波がピタリと止み
二人の視線の先には、二本の角、茶色い毛の生えた身体…両手に握る巨大な斧を持った怪物、ミノタウルスだ。
ミノタウルスはゆっくりと鼻から息を吐き雄叫びをあげる
「ウォォォォッ!」
その雄叫びは木々を揺らし悪臭を放つ
ヘルシングは葉巻を咥え火をつける
「こりゃぁ厄介な使い魔をよこしやがったな…あのアバズレが」
秋元は二本の剣を握りニヤリと笑う
「これだ…血が沸き立つこの感覚!」
ミノタウルスは巨大な斧で秋元に向かって振り下ろす
秋元は軽々しくイカズチの剣で払う
巨大な斧が払われた衝撃でミノタウルスはよろめいた
「お返しだ!」
秋元はよろめいたミノタウルスの腹めがけて蹴りを入れる
「ウォォォォッ!!」
ミノタウルスは地面に手を付き
その状態から秋元に突進する
「来い!牛の怪物!」
秋元はミノタウルスの二本の角を掴み
突進を受け止める
だが…ミノタウルスは勢いよく起き上がり、宙に舞った秋元を殴り飛ばす
木々を倒しながら吹き飛んだ
「なるほど…単なる怪物、人間ではないか」
ミノタウルスは言葉を発し斧を拾う
「お前、喋れるのかよ」
ヘルシングは銃をミノタウルスに向けるがミノタウルスに吹き飛ばされる
秋元は凄い勢いでミノタウルスに殴りかかるが…ミノタウルスは避けて
地面に衝突し、その衝撃で秋元は気絶する。
「あ〜あ…隠し弾は出したくなかったが…仕方ないな…」
ヘルシングは笑いながら銃を懐に入れ
拳を強く握る
「レッツ…ダンス!!」
ミノタウルスの懐に入り込み腹を殴る
あまりの衝撃でミノタウルスが後ずさる…そしてヘルシングはニヤっと笑い
「さて…仕上げだ」
無数の銃を空中に投げ手を叩く
ファンダンゴのリズムに合わせ
銃声が鳴り響く
様々な種類の銃がミノタウルスの体に風穴を開ける。
「計画は既に最終段階まで進んだ…もう…遅いぞ…」
ミノタウルスは、そう言葉を残して消えていった。
music:1
すると気絶していた秋元が起き上がり
「やったのか?」
ヘルシングは地面に散らばる銃を拾い
「ああ…もう終わった」
「一人でか?やるな、ヘルシング」
ヘルシングは笑いながら銃を拾い続け
「秋元…これからお前はどうするんだ?俺は帰るが…」
秋元は体についた土を払い
「俺は、この森に残る。めちゃくちゃになった森を修復しないとな」
「じゃあ…俺は帰るとしよう…」
ヘルシングは帰る支度をして秋元に手を振る
「また何処かで会えるといいな」
秋元は笑いながら
「必ずまた会えるさ」
ヘルシングは森を出て、次の任務に向かった。
悪意 X 完
次回…「人魚伝説 X 」
その歌声を聴いた者は死ぬ。
作者SIYO
なんか表紙画像を特定の人だけ使ってくださいって画像が多過ぎて
普通の表紙画像を探すのが大変です(T ^ T)
使用不可も心が小さいですよね
本当に勘弁してほしい…