今は2600年。
色んな物が発明されてとても便利…らしい。
僕の父と母は、事故で死んじゃって僕は今施設にいるんだ。
僕は施設から出た事がないから、外を知らないんだ。
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「外に出たくないのか?」
施設での友達であるトモヤが言った。
「いいよ、僕は。満足してる。」
「俺はいつか施設の外に出る。」
そう言ってトモヤは通気口に近づいて行った。
最近、トモヤは通気口をいじって、外に出ようとしてる。
多分無理だよ。トモヤ。
ガチャ
「よっしゃ!やっとできた。」
僕が寝てるとトモヤの声が聞こえてきた。
「おい、起きろよ!」
トモヤが僕を揺する。
「何だよ。今、夜中だぞ。」
僕は少しイラついてトモヤに言った。
トモヤは僕の言葉を無視して話し始めた。
「出来たぞ!抜け道!」
そう言ってトモヤは通気口を指差した。
「まあ、俺は行くぜ!」
トモヤは通気口に入って行った。
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トモヤが外に出てから三日が経った頃だった。
施設にアナウンスが流れた。
このアナウンスが流れる時は、
だいたい、すごい才能を持った人が外に出るときだ。
トモヤはそれは自分ではできないとわかっていたから抜け道を作った。
「トモヤ君が外に出る事になりました。」
アナウンスはそう言っていた。
え?
トモヤはもう外に出たはずだ。
何で…。
絶対なにかある。
その夜、僕はトモヤの作った抜け道から外に出る事にした。
そうすれば何かがわかる気がした。
僕は通気口に入った。
ホコリ臭い。
四つん這いになって進んでいると光が見えた。
外だ。僕はそう思った。
しかし、光の元は外じゃなかった。
ある一つの部屋だった。
僕は通気口からその部屋を覗いた。
そこには変わり果てたトモヤがいた。
トモヤの体にはいくつものチューブが刺さっていて、縫った後が沢山あった。
そのまわりに白衣を着た人達がいた。
僕は驚いて声を出してしまった。
白衣を着た人達が一斉にこっちを見た。
「誰かいるぞ!」
僕は捕まえられて、変な薬を打たれた。
意識が薄れていく。
「しかし、こんな実験、許されるのか?。」
「大丈夫、大丈夫。こいつらはモルモット。こいつらの親も承知してんだ。」
「そうか。」
それが僕が聞いた最後の会話だった。
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「また一人、外に出て行くみんなのお友達がいます…
アナウンスが施設に響きわたった。
作者山サン
SFな感じで書けていたらいいなと思います。
今度、星真一賞にこれに肉付けして出そうと思います。