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康史「初めまして。こちらで神職を務めさせていただいているものです。まぁそんなに緊張なさらず、足を崩して楽にしてやってください。」
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宮司「まだ、若輩者ですがお二人の相談事にはお役にたてると思いますので、もう一度詳しくお話ししてやって下さい。」
(やっぱりな…)
心の中で深いため息をつきながらも、笑顔を崩さないように目の前の二人に話しかけた。
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ある連休の日、雄太と彩香はドライブデートに出掛けた。
付き合い初めて2ヶ月、いつもは近場でデートをしていたが、初めての遠出のドライブだ。
いつものファミレスで昼食を済ませ、何だかんだで地元を出発するのは夕方になってしまった。
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雄太「遅くなっちゃったなぁ。あっちに着くの結構遅くなっちゃうね。」
彩香「そうだね。とりあえず向こうに着いたらご飯食べて、泊まるとこ探さないとね。」
雄太「だね。買い物は明日だね。」
そんな会話を交わしながら、県境に向かって車を走らせた。
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彩香が目を覚ますと、車窓の外は暗闇に覆われていた。
彩香「ゴメン、寝ちゃってた。今、どの辺り?」
雄太「寝てても大丈夫だよ。まだ県境の辺りだし。」
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彩香「大丈夫! 起きてる。運転して貰ってるのに悪いから。それにしてもなんか真っ暗だね。民家もまばらだし…」
雄太「そうだねぇ。俺も車で通るのは初めてだけど、こんなに寂しい所なんだね。でもナビの通りに走ってるから、大丈夫っしょ! 予定では到着予定9時ってなってるし。」
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この日のためにカーナビを買って正解だった。
知らない道を真っ暗な中、標識だけを頼りに走るなんて心もとない。
そんな事を考えていた時だった。
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ポーン♪
ルートを外れました。
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雄太「あれ…? 別れ道なんてあったかな? ていうか、前もって言っといてくれよ。」
彩香「だよね。Uターンして元に戻る?」
雄太「そうだね。でもUターン出来るような広いとこあるかな…? おっ…」
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ナビの画面には、(ルート再検索中…)と表示されていた。
(新しいルートを見つけました。こちらでご案内しますか?)
雄太「おっ、こっちでも行けるみたい。」
“はい”を押す。
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ポーン♪
新しいルートでご案内します。
目的地への到着予定時刻は8時40分です。
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雄太「おっ、こっちの方が早いじゃん。ラッキー」
彩香「でも、道狭くない? 大丈夫なの?」
雄太「大丈夫でしょ。ナビが言ってるんだし。」
そう言って、ナビの言うとおり道なりに走り続けた。
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予想通り、その道は狭くて真っ暗だった…
民家も無く、街灯も無い。ヘッドライトの照らす道の先は、異世界につながっているんじゃないかと思うほど暗く、案内板も何も無い道だった…
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対向車が来れば、すれ違いも困難だろうって道幅だったが、運良く対向車に出会うこともなかった。
徐々にこの道を通った事を後悔する気持ちが大きくなってきた頃、車内にカーナビの無機質な声が響いた…
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ポーン♪
およそ1㎞先、右方向です。
この先暫く道なりです。って言ってからどれくらい走っただろう? 久しぶりの案内に少しホッとした。
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ポーン♪
およそ200m先、右方向です。
この先、右方向です。
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緩やかな坂を下って行くと、両側に鬱蒼と茂っていた木々が途切れ、回りには田畑が広がり始めた。
T字路に差し掛かると、無人のコイン精米所があった。誰も居ないとはいえ、久しぶりの灯りだった。
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正直言うと少しホッとした。口には出さないが、彩香もホッとしたんだろう、口調が少し明るくなった。
彩香「あっ、久しぶりに家があった! あっ、こっちにも。」
雄太「ホントだ。やっと人里に出たね。」
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それからは、あっという間だった。とりあえず目的地に設定してあった駅前のショッピングモールに着いたのは、8時半を少し過ぎた頃だった。
彩香「最初の予定より、全然早く着いたね。やっぱり近道だったんだね。」
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雄太「ホントそうだよね。ラッキーだったねぇ。」
とりあえずショッピングモールに入り、夕食を済ませて閉店まで店内を見て回った。
11時を過ぎたので、車に乗りホテルを探すことにした。学生で金も無いので、泊まるのはラブホテルだ。
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連休初日だけあって、満室のホテルが多かったがなんとか空室のホテルを見つけ、日付が変わる前に落ち着く事が出来た。
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次の日は、1日中買い物をしたり、観光地を巡ったりして楽しい1日を過ごした。
夕方になり帰る予定の時間になった。
夕食は地元に帰ってから摂る予定だったが、グルメ雑誌で旨そうな所を見つけたんで、そこで食べてから帰ることにした。
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雄太「来るときに通った道を通れば1時間近く早く帰れるしね。」
そんな安易な考えだった。
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食事を終え、車に乗り込む。
評判通り美味しい店で、大満足だった。
カーナビの目的地を自宅に設定する。
ルートは通常のルートを示していた。
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時間優先、距離優先。色々と試してみたが、来るときに通った道らしきルートは表示されなかった。
雄太「あれ…? 出ないな…」
彩香「変だね… でも、来るときも最初は違うルートのつもりで来たんだし、とりあえず向かってみる?」
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雄太「そうだね。記憶を頼りに走ってみようか。ご飯も食べたし、時間もあるしね。」
そこから、二人の記憶を頼りに昨日通った道をたどった。
思っていたよりもあっさりと道をたどることが出来た。 と言っても昨日の記憶だ。 まぁこんなもんかな。なんて話しながら、無人のコイン精米所を左折する。
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昨日下ってきた坂を今度は登っていく。
周りの景色は、田畑から鬱蒼とした木々へと変わっていった…
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ポーン♪
ルートを外れました。
昨日と同じだ。カーナビの画面も昨夜と同じく(ルートを再検索中…)の画面になった…
昨日と同じ…
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………はずだった……
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雄太「あれ…? おかしいな…」
彩香「どうしたの?」
雄太「昨日は、すぐに新しいルートが出たんだけど、今日はなかなか出ないんだ…」
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昨日は(ルートを外れました)って言われてから、Uターンする場所を探していたら、すぐに新しいルートが出た。 時間にすれば1分前後だったはず…
でも、今は何分たっても再検索中…の表示が消えない。
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彩香「ナビにも電波とかあるのかな?」
雄太「電波とかでは無いと思うけど、GPSの具合とかあるのかな…?」
彩香「でも、大丈夫じゃない? 一本道だったし…
でも、どうする? 引き返す?」
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雄太「う~ん… どうかなぁ… 相変わらず道幅狭いし、Uターンするの大変そうだからなぁ… うん、このまま進もう!」
そう言って、そのまま一本道を進み続けた…
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雄太「どう? なんか見覚えのある景色でもある?」
彩香「わかんないなぁ… 真っ暗で良く見えないし、ずっと同じ様な景色が続いてるし…」
雄太「だよね… 時間的にはもう広い道に出てもいい頃だと思うんだけど…」
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相変わらずカーナビは再検索中…だった…
時刻は、深夜の0時を過ぎていた…
広い道に出るどころか、もうとっくに自宅に着いていないといけない時間…
(迷った…)
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口には出さないが、彩香も同じ思いだろう…
不安そうな顔で、辺りを見渡している…
迷ったまま、時間だけが過ぎていく…
彩香のアクビの回数が増えた…
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(眠かったら、寝てもいいよ。)
優しく、声をかける場面なんだろうけど、正直寝て欲しくはない…
道に迷って、今居る場所もわからないこの状況で一人になるのはキツい…
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なるべく明るい声で話し続ける…
彩香も眠気と不安とが戦っているんだろう…
眠そうな目をしながら、いつもより大きな声で話し続ける…
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そんな状況がしばらく続いた。
俺も眠くなってきた… 正直限界が近い…
そんな時だった…
木々の隙間から、灯りが見えた…
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雄太「あっ、さやちゃん。灯りが見えるよ。もしかしたら抜けたのかも… 対向車かも知れないけど…」
彩香「民家ならいいけど、対向車だったら道を聞こうよ。どうせ、すれ違うのにスピードが落ちるからその時に声かけて。」
雄太「そうだね。早く帰らないと、俺も眠くて…
さやちゃんもかなり眠いでしょ?」
彩香「うん… 正直、結構ヤバい…」
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そうしてるうちに、徐々に灯りが近づいてきた。
対向車ではなかった…
民家でもなかった…
街灯…
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道の右側に、車が数台停める事が出来そうな駐車場があり、そこに街灯が2つ…
真っ暗な夜道を照らしていた。
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ハンドルを切り、駐車場に入る…
雄太「昨日、通ったときは駐車場なんか無かったよね… こんな灯りがあったら見落とす訳ないもんね…」
彩香「うん… やっぱりどこかで間違えちゃったのかな? 間違える所なんて無かったと思うけど…」
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ヘッドライトをつけたまま車を降りた…
ヘッドライトと街灯の灯りを頼りに、周囲に民家などが無いかと周りの暗闇に目を凝らす…
見えるのは、深い森の木々だけ…
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雄太「どうしようか? このまま、暗い道を走り続けても、危ない気がするんだよね… ナビも相変わらずだし…」
彩香「うん… そうだよね… 雄太君も疲れたでしょ?
ちょっと休む?」
雄太「ちょっと気味悪いけど、この状態で夜の山道を走り続けるのも怖いし… 少し仮眠とって、明るくなってから動こうか?」
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彩香「うん…、そうだね。ここなら街灯もあるし、少し休んでいこ。」
街灯の真下に車を停め、仮眠をとることにした…
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目が覚めた時には、空は明るくなっていた…
太陽も顔を出し、昨夜あれだけ不気味に見えた景色が、どこにでもある普通の山道に変わっていた。
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彩香「雄太君、おはよう… 」
雄太「おはよう。無事に朝になったね。」
彩香「そうだね。少し腰が痛いけど…」
車を降りて、二人並んで伸びをする。
朝の森の空気が美味しく感じた。
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雄太「じゃ、帰ろうか。」
車に乗り込み、エンジンをかける。
カーナビが立ち上がるが、相変わらずルート再検索中…
諦めて、走り出した。
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しばらく走ると、片側一車線ずつの少し広い道に出た。
道なりに走ると、道路は右手に川を見ながら走るようになった。
川の向こうには、まばらだけど民家があるのがわかる。
何だかんだでホッとする。
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そのうち、右手に川。左手には田畑が広がる景色に変わった。
気持ちが落ち着くのと同時に空腹に気づく。
雄太「どっかにコンビニとか、スーパー無いかな。」
彩香「うん。お腹減ったね。私…トイレにも行きたいし…」
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しばらくキョロキョロしながら走ったが、それらしきものは見当たらなかった。
彩香「ねぇ… なんかあれ凄くない…?」
彩香の指差す方向に目を向ける…
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墓地だった…
道路の右手… ずっと田畑が続いていたのが途絶え、今までに見たことが無いくらいたくさんの墓石が並んでいるのが見えた…
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雄太「凄いなぁ… こんなにたくさんのお墓が集まってるなんて初めて見た…」
彩香「ねぇ…、家はこんなにまばらなのにね…」
そう言えばそうだ… 民家の数にしては、やけに墓の数が多い…
外は明るく、陽も射しているのに…
少し薄気味悪かった…
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(どこまで続いてるんだろう…)
左手に見える墓は、もうゆうに1㎞を越えただろう…
それでも、墓地は続いてる…
(それに民家があるわりには、まだ1台も車とすれ違ってない… なんかおかしいよな…)
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不審には思ったが、声には出さなかった…
わざわざ彩香を不安がらせることもない…
ふと前方に軽トラックが走っているのが見えた…
(なんだ、田舎過ぎて交通量が少ないだけか…)
ホッとした…
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徐々に軽トラックの姿が近づいてくる。
(相当ゆっくり走ってんだな…)
ついに軽トラックに追い付いた。
雄太「やけにのんびり運転だねぇ…」
スピードメーターを見ると、20キロを少し越えたぐらいのスピードしか出ていない…
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彩香「ホントだね。まぁ、おじいちゃんみたいだから… 安全第一なんだよ。」
確かに軽トラックのルームミラー越しに見える顔は一目でおじいさんとわかる顔だった…
雄太「さすがに、遅すぎでしょ。追い抜こうか?」
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彩香「でも、車線黄色だよ。追い越し禁止じゃ無いの?」
雄太「ホントだ。こんな見通しのいい直線なのにハミ禁なんだ。」
彩香「はっ? ハミ禁?」
雄太「そう。はみ出し禁止! 略してハミ禁!」
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対向車が来ない事を確認して、アクセルを踏み込む。
軽トラックに並びかけたとき、運転席のおじいさんが窓を開けて、こちらに向かって何か叫んでいた。
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shake
バンッッッ!
大きな音がしたと思ったとたんに、ハンドルが制御を失う…
shake
ガーンッッッ!!!
そのまま川沿いのガードレールに突っ込んだ…
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ガードレールにぶつかり、呆然としてる僕らの所に、軽トラのおじいさんがやってきた…
「こらっ、何してる!ここは追い越し禁止じゃぞ!」
(怒るよりも、少しは心配してくれよ…)
そう思いながらも
雄太「すいません。見通しもいいし、対向車もいなかったんでつい……」
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爺「確かに見通しはいい… だけどな… ここは追い越したらいかん道なんじゃ…」
雄太「…すいません…」
爺「まぁ、無事で何よりじゃ… 車もキズは付いてはおるが、動かなくなるほどでもないようじゃし…
タイヤのパンクだけで済んだんなら、幸運じゃと思わんといかん…」
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雄太「それって、どういう意味です?」
含みのある物言いに違和感を感じた…
爺「ここではなぁ、昔… 事故があったんじゃ…」
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爺「ほれっ、そこに墓があるじゃろ…
ある年の盆に、五歳になる息子を連れて里帰りしてきた若い夫婦がおってな… まだお天道さんも明るい時間じゃったんだが…」
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爺「川向こうの集落から、親子で墓参り来て…
その帰りにな…
道を渡ろうとして道端に立っとったら、1台の車が自分も墓参りに来て、路肩に車を停めたんじゃ…」
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爺「車が停まってくれたと思った男の子がなぁ…
真っ先に道を渡り始めた…
そしたら、後ろから猛スピードで来てた車が、その停まっている車を車線をはみ出して追い越してなぁ…
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「慌てて急ブレーキは踏んだんじゃがなぁ…
そのまま…
男の子は車の下敷きになってしまってなぁ…
半狂乱になった両親が必死で引きずり出したんじゃが…
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「もう、腰から下がちぎれてしまっとってなぁ…
見るからにもう助からんのは明らかじゃった…
父親は、泣き叫びながら運転手に殴りかかってなぁ…
わしらは、それを必死で止めておったんじゃ…
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「気がついた時には、もう遅かった…
母親は、息子の上半身を抱えたまま…
そこの川に身を投げた…
雨続きで、増水しとってな…
遺体が上がったのは5日も後じゃった…
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「でもなぁ… 結局子供のほうは見つからんかってなぁ…
ホントに悲惨な事故じゃった…
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「しばらくして、父親も後を追ったんじゃ…
首をくくってなぁ…
それからじゃ… ここで事故が増えてなぁ…
それがみんな、前の車を追い越そうしてるときなんじゃよ…
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「それで、ここは追い越し禁止になったんじゃ…
不思議なことになぁ…
生き残った者の話しじゃと…
抜こうして車線を出た途端になぁ…
女が飛び出して来たって言うんじゃ…
中には… “どぉごぉ~…どぉごぉ~…”
って声を聞い者も居た…」
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ごくっ…
思わず唾を飲み込んだ…
爺「まぁ、お前さん達は運が良かったなぁ。
予備のタイヤはあるのか?」
雄太「えっ… あぁ…、大丈夫です。」
爺「そうかぁ、じゃあ気をつけて帰んな。」
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おじいさんが去った後、スペアタイヤに付け替え再び帰路についた…
道は再び狭くなり、ついには舗装もされていない道になった…
先ほどの件もあり、また不安になったが、下り坂の先に見覚えのある大きな幹線道路が見えてきた…
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何故か、通ってきた道は幹線道路とは繋がっていなかった…
幹線道路沿いの空き地に入り、そこを突っ切って道路に出る形になった…
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幹線道路に出ようとして、出口に向かっているときだった…
(あれっ…?)
妙に車がガタガタ揺れる…
妙にハンドルが重い…
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車を降りて確認すると、取り替えたスペアタイヤに割れた瓶の破片が刺さり、見事にタイヤの空気は抜けていた…
雄太「マジですか…?」
もうどうすることも出来ず、その場に車を置き車屋に務める友人に電話をかけた。
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替えのタイヤを持って来てくれるらしい。
とりあえず向かいの喫茶店に入り、友人が到着するのを待った。
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友「あれ…?どうしたの? これスペアタイヤじゃん」
パンクしたタイヤを指差す友人に、昨夜からの出来事を話して聞かせた。
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友「はい、終わったよ。
あのなぁ… 俺を怖がらせようとして…
そういうウソは辞めろよな!」
雄太「嘘じゃ無いって!」
友「だってそんな道があるなんて聞いたことないよ」
雄太「あるんだって! だってほら、そこから出てきたんだよ!」
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そう言って空き地の角に目をやると、そこには鬱蒼とした林が広がっているだけだった…
ついさっき下って来たはずの道は最初から何もなかったかのように消え失せていた…
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これが二人から聞いた一部始終だった…
怖くなってここを訪ねたそうだ…
宮司「そうですか… そんなことが…」
そう言いながら、こちらに視線を向けてくる…
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康史「そうですね。私は多少見えるだけなんで、ハッキリとは断言出来ませんが、現時点でお二人に何も憑いていないことは確かです。」
雄太「ホントですか…?」
康史「おそらく、その土地にいるナニかに呼ばれて行ったのだと思います。そこで事故に遇った。
それで終わりだと思われます。」
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康史「もし、今後何かあるようでしたら、またいらしてください。」
雄太「ありがとうございます。」
宮司「帰られる前に、1度車を拝見させて頂いてよろしいですか?」
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なるほど… 車に憑いている可能性か…
揃って車に元に行った…
車に異常は無かった…
そう… クルマには…
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康史「車事態に特に異常はありません。ただ…」
宮司「失礼ですが、カーナビは中古品ですかな?」
雄太「あっ、はい…」
康史「もしかしたら、カーナビに原因があるかも知れません…
お祓いというてもありますが、取り外されることをお勧めします。」
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雄太「それって… わかりました…
はずします。ありがとうございました…」
その後、彼らが再び訪れることは無かった…
あの後、カーナビを処分し幸せな日々を過ごしてくれていると信じている…
作者烏賊サマ師
思っていたより長くなってしまいました…
最後まで読んでくださってありがとうございます。
1部フィクションを含む実話です。
結局、どこの道に迷い混んでしまったんですかね…
調べてもそんな道は存在しないんです…