先程、投函させていただいた者だが……如何にもこうにも、あの女が気になり調べてみることにした。
彼女は………仮にサヤとでもしておこう。このサヤという女性は、結論から言って人間ではなかった。
この女の事を調べるにあたり、次の事が解った。
①サヤという名前
②この公園の近所に住んで居た事
③スカーフを巻いて居た事
④赤い服は血に染まっていたから赤かったという事
⑤彼女はこの世のものではなかった………
昨晩の出来事で気が付いた事があった……彼女がスカーフで首を覆っていた事………
1989年10月10日の未明にこの公園から喉元を掻っ切られる通り魔殺人があったらしい
その女を見つけた時に何かつぶやいていたように見えたが、呼吸音だったのだ。それで声も出なかったのに、何故『どうして、声をかけてくれないの??』なんて言ったのか………聞こえたんじゃなくて頭に直接そう入ってきたのだった。ずっと1人で成仏できずにあそこで佇んで、たまたま見える者が通った事が嬉しかったんだろうな。
サヤは見つけてもらって嬉しかったんだろうな………俺の耳元で空気の抜けた呼吸音が聞こえ続けている中で、これを投稿する。
作者万事屋千絵ちゃん