【重要なお知らせ】「怖話」サービス終了のご案内

短編2
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育児に家事と必死だったこの十数年間

化粧もせず、美容院にも行かず

古びた上下ジャージ姿でも

何の抵抗もなく外へ買い物に行けるようになってた。

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私は、出産を終えた瞬間

女から母親になったのだ。

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それは娘に対してだけでなく

夫とはもう5年以上SEXをしていない。

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そんなある日

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家庭訪問として娘の担任が家に来ることになった。

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急いで部屋の掃除をし

軽い身支度をし先生を待ってると

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「ピンポーン」

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入ってきたのは、下手したら娘より年下じゃないのか?と思えるぐらい童顔の可愛らしい「マイ」って名前の先生だった。

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しかし実際話してみると

凛とした姿勢で私の目をまっすぐ見つめ

教育にも生き方にも自分に自信を持ってる

そんな素敵な先生で

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親子ほど年が上の私でも一瞬ドキッとしてしまった。

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案の定娘も、

学校が女子高と言う事もあってか

どうやら先生(マイ)の事を同性として好きではなく

それ以上の感情を持ってるようで・・・

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しかしそんな明るくなった雰囲気も

先生が帰ると

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また、娘は無言で自分の部屋に

私は夫のタメに夕食を

と、いつもの会話のない家庭に・・・

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そして今日も1日が終わり

ふと鏡にうつった自分を見て

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「このおばさん誰?」

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周りの人間から愛され

自分の夢もしっかり持ち

何の疑いもなく自分を信じてる。

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そんな今日出会った娘の担任と

鏡にうつった自分との落差に

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「同じ女なのに・・・」

私はボロボロと泣いていた。

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「絶対に変わってやる!!(涙)」

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あの日以来

私はジャージ姿でウロウロするのをやめた。

ゴミ出しだろうが

近所への買い物だろうが

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どんなに近くても化粧をして

それなりのオシャレもし

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「ツライ」

「疲れた」

「嫌だ」

そういった類の言葉も極力使わないようにした。

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又、母親と言う鎧もプライドも捨て

娘に対しても夫に対しても

弱い自分をさらけだし

自分のダメな所をドンドン指摘してもらい続けた結果

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「お母さん変わったね」と褒められるようにもなった。

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そんなある日、夕食の支度も終わり

二人を呼んでると

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突然部屋が真っ暗に・・・

数秒後

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ケーキを持った娘と夫から

夫:「誕生日おめでとう(笑)」

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そして

娘:「私にとってはマイ先生よりママの方が綺麗だよ。」

私の一番聞きたかった言葉を娘からもらい

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思わず泣き出す私を見ながら嬉しそうに夕食を食べてた二人の

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喪主を今、私は務めてる。

そんな私の目の前に

あの女の姿が・・・

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マイ先生:「突然のご逝去のお知らせ、心からお悔やみ申し上げます(涙)」

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私:「あんたより私の方が綺麗でしょ!!」

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