中編4
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人形の森 X-2 「X-11」

人形の森 X-2

この物語は「カフマンという男 X-10」の続きとなります。

music:1

猛毒を振り撒く根源を倒すべく四人の男がココに

「で、そのバジリスク博士はどこにいるんだ?」

アイボリーは苦笑いしながら

「バーキン博士ですよ…とにかく、博士の居場所はわかってるんですか?」

アーロン、アルの二人は

黙ったまま立ち上がり

「さ、行くとするか」

アイボリーは溜息を零し「やっぱり」

レイモンドはコーヒーを片手にドーナッツを食べながら

「それじゃ…俺たちはバーキン博士を探そう」

ドーナッツを頬張るレイモンドを見て

溜息を零すアーロン

「わかった、俺らは道具を調達してくる」

二手に分かれてから1時間…

レイモンドとアイボリーはバーキン博士が働く研究所に辿り着いた

「すごい場所だな…」

「確か…バーキン博士は凄い人としか聞かされてませんからね」

二人は研究所の入り口に立ち入ろうとすると

「そこの二人!助けてくれ〜!」

後ろから白衣を着た男が二人を追い越し

怪物のような雄叫びを上げた何かが迫ってきた。

いや、怪物ではない…巨大なアフロ頭の男が怒鳴りながら

「博士!また私のラジオを分解したでしょ!弁償、弁償しろー!」

「普通のラジオより、いい性能になったからいいじゃないか!」

「電波が拾えなければ意味無いだろうが!」

博士は笑いながら

「幽霊の声を拾えるんだぞ!?普通のラジオなんて、また買えばいいじゃないか!」

アフロ頭の男は拳を握りしめ

「このラジオはバカ高いんだぞ!!」

レイモンドは会話に割り込み

「な、なあ…バーキン博士だっけか?カフマンの紹介で来たんだが…」

バーキン博士は眼鏡をかけて

「あ、ああ…君達が連絡にあったレイモンド君達だね?」

アフロ頭の男はアイボリーになだめられ去り際に

「博士!必ず弁償してくださいね!」

バーキン博士は頭を掻きながら

「バジリスクのことを聞きに来たんだよね?」

消毒液の匂いが漂う廊下を歩きながら

「なぜ、あんたはバジリスクに詳しいんだ?」

バーキン博士は笑いながら

「私はバジリスクを保護している団体のリーダーだからね」

「保護?」

バジリスクは本来、人が立ち入らない森や洞窟に生息していた。

しかし、人類が発展する度に今まで未開拓の森や洞窟が発見されるようになった。

人類がバジリスクに遭遇する確率が格段と上がってしまった。バジリスクは人間を餌としか認識しない。バジリスクは生きる為に人間を捕食するようになり、生き残った人間はハンターを雇いバジリスクを殺していったんだ。

そこで我々はバジリスクが目撃された噂を聞きつけたら、部隊を編成して保護している。

もちろん、安全な施設で飼育している。

レイモンドは資料を読みながら

「今回のバジリスクは保護する目的はないぞ?」

バーキン博士は悲しい表情をして

「そうか…それは残念だ。」

「まあ出来る限りの手段は試す」

アイボリーはバーキン博士に質問する

「バジリスクに知能が高い個体は今まで居ました?」

バーキン博士は眼鏡を中指であげ

「ああ…こちらの言葉を理解できる個体は何度か会ったことがあるが…言葉を話せる個体は少ないし、気性が荒い個体ばかりだったよ」

レイモンドは資料を鞄に入れ

「今回のバジリスクはかなり知能が高いと考えてる」

バーキン博士は腕を組み

「それはなぜかね?」

レイモンドはカフマンから渡された古びた本を渡す

「この本にはリスク沼という場所に推定体長12メートル級のバジリスクについて事細かに書かれている。」

バーキン博士は本を読みながら

「確かに…我々が知るバジリスクの特徴が…」

ページをめくる手が止まりバーキン博士はレイモンドに顔を向ける

「レイモンド君…私も同行する。」

レイモンドは首を傾げ

「どういうことだ?理由を聞かせてくれ」

バーキン博士は一枚の古びた写真を本から取り出す

「このバジリスクの足元に3つの卵がある。」

レイモンドは古びた写真を手に取り眺める

「確かに…それなら既に孵化しているだろ」

バーキン博士は鞄に様々な薬品を詰めだし

「とにかく、その写真が30年前の写真であれば、卵が30年後の今日、孵化したことになる!バジリスクは一週間で1メートルまで成長する!」

レイモンドはアイボリーに地図を取り出すように指示する。

「博士、出来るだけ協力はする。だが、保護が目的ではないとだけ頭に入れておいてくれ」

バーキン博士は黙ったまま頷く

その頃、アーロンとアルは…

music:2

ガヤガヤと騒々しいクラブの店内を歩いていた

すると、二人の前に身長2メートルの男が二人を呼び止める。

「なんだ、お前たちは?酒も頼まないでドコに行くつもりだ?」

アーロンはニヤリと笑い銃の引き金に指を掛ける

「なあ、ここの客は随分と獣くさいな…バンパイアにライカン、グールもいるとは…」

男は鼻で笑いながら

「薬でもやってんのか?テメェみたいな客は…」

アーロンは男を無視して顎に銃口を突きつける

「黙れ…バンパイア。ゴールドマンに用がある」

男はニヤリと笑い

「なんだ…それを早く言え。入り口はこの先にある」キッチンの奥を指差した。

アーロンとアルは銃を懐に入れて再び歩き出した。

キッチンを通過した奥にスーツを着た男二人が立っていた。

扉の左側に立つ男が喋り出した

「用件はなんでしょうか?」

アーロンは男に金貨が入った袋を黙ったまま投げ渡すと扉は開いた。

music:1

扉が開くと甘ったるい香水の匂いが漂ってくる

長い廊下を進むと金で造られた扉が現れた。

アーロンがドアノブに手を伸ばすと

ひとりでに扉が開いた。

「アーロン…久しぶりだね。」

その部屋に金髪オールバックでスーツ姿の男がテーブルに座っていた。

その男はニヤッと不敵に微笑み二人を部屋に招き入れる。

To be continued…

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