1692年3月──。
アメリカの田舎町で、歴史的怪事件が起こった。
10人の少女達により、およそ200人の村人が魔女として告発され、その内の19人が処刑された。
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事件は遡ること一年前、二人の少女が使用人から教わった降霊術から始まる。
降霊術中に少女の一人が攣き付けを起こし、パニックになったのだ。
その症状は複数人に伝播し、少女達がその原因は魔女によるものだと、三人の女性の名を挙げた。
三人の女性は当然無実を訴えたが、その内の一人、使用人の女性が自分は魔女であると自白したことで事件は急転する。
※この自白は当時のピューリタンの教義による『魔女であると認めれば死刑を免除する』というルールがあったからである。
しかし、事件はこれに留まらなかった。
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裁判が始まると、少女達は三人の女性以外にも魔女がいるとして、次々に告発を始めたのである。
閑静だった村は、一気に疑念と恐怖に包まれた。
少女達の告発は男女を問わず、気がつけば約200人の村人が裁判にかけられ、収容所がパンクするほどになったという。
その後、事態を重く見た州知事が大赦を出すまで続き、結果的に19人の死者が出てしまったほどの大事件となり、今も語り継がれている。
少女のちょっとした悪戯が、アメリカ史上類を見ない大事件にまで発展してしまったが、少女の悪戯は、果たして何処までが悪戯だったのだろうか。
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1974年~1985年──。
イタリアの有名観光地としても知られる都市で連続殺人事件が起こった。
この事件は約11年に渡り、8組のカップル計16人が犠牲になっている。
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犯人はカップルのみをターゲットにしており、犯行も残忍であった。
凶器はピストルとナイフで、カップルを射殺後、女性はメッタ刺しにされることもあった。
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最初の犯行は74年から始まり、数年空いてから犯行が再開されており、発生頻度も一年に一度と低く、ターゲットがカップルというだけで他国の観光客も犠牲になっている。
この事件の不可解な点は殺害方法はほぼ同じだが、その後が違う場合があったことだ。
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例えば、最初の事件では男性は射殺、女性は96箇所もメッタ刺しにした上、女性器にブドウの蔓を詰めていた。
そして、最後にあたる事件では、フランス人カップルを殺害後、遺体の一部を切り取り、捜査担当者へ送り付けている。
その間の犯行では、そのような残忍な記録はない。
また、犯行の内の一件はドイツ人男性二人組で、片方の男性の髪が長髪だったことで、女性に間違われた可能性が高いとされている。
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こういう不可解さが、事件を一層難しくしていたのと、さらに、イタリア警察の失態も目立った。
二番目の事件の犯人として覗き男が逮捕されたが、被疑者勾留中に新たな事件が発生したため捜査員は大混乱したり、最後の事件から数年後に農夫を逮捕するも、裁判中に被告人が病死してしまったりと、色々あって未だに解決には至っていない。
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そもそも、この事件は一人による連続殺人事件だったのだろうか。
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作者ろっこめ
三題怪談をご拝読、またご参加いただき、誠にありがとうございます!!
まだまだ企画は続いておりますが、箸休めとして投稿させていただきます。
地味に続いております ろっこめタイムズ も三部目になりました。
世界各地の不可解な事件を、フワッとご紹介しておりますが、「あの事件が紹介されてない!」という方も多いと思います。
知らない方も知ってる方も「へー……」と思ってくださったら嬉しいです。