中編6
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老兵〜禁侮〜

僕と紫水さん、葵さんの三人は寂れた漁師町に来ていた。

前回、紫水さんの叔父さんから、ある術者の暴走を止める依頼を受け、その情報収集の為に訪れたのだ。

葵「紫水さん?

この様な場所に、本当に術者に関係する者がいるのですか?」

葵さんは、紫水さんに問いかけた。

確かに…。

葵さんが少し不安になるのも分かる気がする。

この漁師町に、とても術者に縁のある人物がいるとは僕にも思えない。

それ程に寂しく、穏やかな町。

紫水「えぇ。

間違いなくこの町に居られる筈です。

それも、その一族の開祖の末裔にあたる、正当な後継者が。」

開祖の末裔?!

何だか良く分からないが、言葉だけを聞いていると、とんでもない人物がこの町にはいる様だ。

紫水「聞いた話しによると、確か…この辺の筈なんですが…。」

辺りをキョロキョロと見回す紫水さん。

紫水「あっ!ありました!

あれですよ!」

そう言って指を指す紫水さん。

その指の先に目を向ける僕と葵さん。

僕「漬け物…屋?」

葵「サクラ…?」

紫水さんが指差した先にあった物。

それは「漬け物屋 サクラ」と書かれた看板。

僕「いやいやいや!紫水さん?

あそこはどう見ても漬け物屋ですよ?

さっき話していた開祖って漬け物の話しですか?!」

紫水「まぁまぁ(笑)

とりあえず行ってみましょう。」

そう言って歩き出す紫水さん。

顔を見合せ、苦笑いを浮かべる僕と葵さん。

そうして店の前に着くと、一人の老婆が店先を掃いていた。

紫水「あの。

もしや、あなたがトメさんでいらっしゃいますか?」

老婆は掃除の手を止め僕達を見る。

婆「ほぉ…。

お主、私の名前を知っとるのかえ?

だとすると、依頼かね?

悪いがアタシはもう引退したんじゃよ。

他を当たっておくれ。」

僕「え"―!!

このお婆さんがさっき話していた末裔ですか?!

そんな話し信じられませんよ!」

葵「紫水さん。

失礼ですが、私にも庭かには信じられません。

この老婆が開祖の末裔などと…。」

紫水「お二人とも!

少し失礼で…」

パァ―ン!!

?!

紫水さんの話しの途中、突然渇いた音が鳴り響いた。

見ると老婆が手を合わせていた。

?!

僕、葵「なっ?!」

老婆が手を打った途端に、僕と葵さんの両腕が自然と上がって行く。

そして両腕が水平に持ち上がった瞬間、僕達の体は身動きがとれなくなった。

老婆「お若いの?

口の聞き方には気を付けた方がええのぉ?

アタシは歳のせいで体力は落ちとるが、術のキレまで落としたつもりはないよ?」

何だこれ?!

体が全く動かない!

紫水「これはこれは(笑)

こう容易く縛をお掛けになるとは…。」

葵「………。」

僕と同じ様に動けないでいる葵さんが、静かに目を閉じた。

老婆「ほぉ…。

さすがにやりよるのぉ。

軽いとは言え、アタシの縛を解きよるか。」

?!

そう呟いた老婆に目をやり、再び葵さんに視線を戻すと、葵さんは何食わぬ顔で洋服の乱れを直していた。

葵「先程のご無礼、申し訳ございません。」

そう言って老婆に頭を下げる葵さん。

老婆「お前が葵だね?

それでそっちが紫水。

で、お前は…。」

老婆は順番に僕達へ視線を移し、名前を言って行く。

最後が僕の番だ。

老婆「お前は…知らん。」

やっぱり…。

葵「トメさん?で宜しいですか?

何故、私達の名前を?

それに私が葵でこちらが紫水さんだと、どうしてお分かりに?」

老婆「質問が多いの?

お主らがアタシを探している事なぞ、とっくに耳に入っとるわ。

お主らの名前も一緒にの。

それに、何故、言い当てられたかじゃと?

そんなものは見れば誰でも分かるじゃろが。」

見れば分かるって…。

絶対に誰も分からないと思うけど…。

老婆「持っとる気の性質が違うじゃろが。

呪術師と祓い屋が同じ性質な訳なかろ?

分かったかい?ヒヨっ子?」

紫水「さすが…としか言いようがありませんねぇ(笑)」

葵「確かに…。

しかしこれ程とは…。」

老婆「それと!!!

アタシを呼ぶ時はサクラと呼んどくれ!!」

紫水「サクラ?ですか?

確かお聞きしているお名前はトメ…の筈ですが?」

老婆「お前も動けなくなりたいのかい?」

紫水「いえ!

私は結構です!サクラさん。」

トメ「フン!

アタシに 何か聞きたいんだろ?

着いといで。」

僕「あ…あの…僕は…」

トメ「おぉ。

忘れとったわ(笑)」

ト…サクラさんに縛を解いて貰った僕は、前を行く三人の後を追い、家の中に入った。

トメ「で?

アタシに何が聞きたい?」

紫水「あなた方の一族の中に、力が暴発する危険のある者がいる。とお聞きしまして。

その暴発を鎮めるお手伝いをさせて頂きたく、お伺いさせて頂きました。」

トメ「お主らその話しを何処で?」

サクラさんの目の色が変わった。

紫水「ある筋から。としか申せません。」

トメ「…。

まぁええ。

確かにそれは事実。

で?それを鎮める手助けをしたい?

お主ら死ぬつもりかえ?」

死ぬ?!

そんなに危険な行為に手を貸そうとしているのか?

葵「いえ。

その様なつもりはございません。」

トメ「アタシら一族がどういう者かは知っとるの?

各々が自分の体に神を宿しとる。

力の大小は様々じゃが、それでも神ぞ?

おまけにお主らの探しとる者は、その神を二体も体に宿しとる。

お主らそれと喧嘩するつもりかえ?」

紫水「必要とあらば。」

トメ「たわけが!!

お主らの噂はアタシの耳にも入っとる。

大層な力を持っておるらしいの?

じゃが…。

噂は所詮噂…。

お主らの力、アタシが試してやるわ。」

何やら不穏な空気になって来た。

一気に緊張が走る。

葵「サクラさんがお相手をして頂けるんですか?」

トメ「アタシに相手をして欲しいかぇ?」

そう言ってトメさんは不気味に笑った。

何か空気が重くなった気がする…。

紫水、葵「い、いえ…。」

?!

横に座る紫水さんと葵さんが額から大量の汗を流している。

僕には分からない攻防が始まっているのだろう。

こ、このお婆さん…。

トメ「冗談だよ。

お主らと戦いでもすりゃアタシの身がもたないよ。

二人にはそれ相応の相手を用意してやるから着いておいで。」

トメさんはそういうと、家の奥へと歩いて行った。

トメさんに着いていくと、裏庭に出た。

その裏庭には山へと続く道が続いており、トメさんは黙って山へと続く道を歩いて行く。

暫く進むと池が見えて来た。

トメさんはその池の横にある少し細い道を進んで行く。

僕「何処へ行くんですかね?

それに、二人を試すって…。

大丈夫なんですかね?」

紫水「まぁ、あの方のなさる事ですから、それなりの覚悟は必要でしょうねぇ(笑)」

覚悟?

腕試しに覚悟が必要って…。

トメ「着いたよ。」

トメさんが歩みを止めた場所は少し開けており、あちらこちらに点々と石碑の様な物が並んでいた。

葵「これは…。」

トメ「分かるかえ?(笑)

アタシは昔、憑き物屋をやっとっての。

まぁ祓い屋みたいなモンじゃが、大抵の化け物は消滅させて来たが、中には消すのが勿体無い位のヤツがおってのぉ。

ソイツらを封印してあるんじゃよ(笑)」

まさか?!

今から二人にソイツらと腕試しをさせようと?!

トメ「言うとくが、ここにおるヤツラはその辺の悪霊だかとは訳が違うぞい?

どうじゃ?

やるかえ?(笑)」

紫水、葵「勿論ですよ。」

紫水「サクラさん?

一つお聞き致します。

二度と封印出来なくなってしまいますが宜しいですか?」

葵「消滅、以外の道はありませんよ?」

トメ「よぉ言うた!(笑)」

パァ―ン!!!

またサクラさんが手を打った!

また動けなくなるのか??

?!

違う!

周りの石碑が小刻みに震え出している。

トメ「さぁ…何が出よるか…(笑)」

震えている石碑。

ピシッ!

一つの石碑にヒビが入った。

トメ「出てきよるわ(笑)

まずは一人目!

どっちか前に出ぇ!!」

一人ずつ腕試しをするのか?

それにしてもあの石碑から一体何が…。

葵「まずは、呪術師、葵が参りましょう。」

ついに、命を賭けた腕試しが始まる…。

Concrete
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mami様。

お、鬼増えた?!Σ(゜Д゜)
僕、引き出し二個しかないんで無理です!(T-T)

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月舟様。

もう完全に滅茶苦茶でしょ?(笑)
でも…楽しいんです…(^^;

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セレ―ノ様。

定期投稿?!Σ(゜Д゜)
い、いまでもかなりのピッチで投稿してますけど…?

お、鬼…(T-T)

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吉井様。

ス―パーな、駄作を目指します!(笑)

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ちっちっち♪様。

ありがとうございます!
全力でやりますよ!!

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マコさん様。

来年の今頃には続きを…と思いますm(__)m

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むぅ様。

良い所にお気付きで(笑)
僕自身、トメとサクラで混乱しております!
サクラて誰?!Σ(゜Д゜)
てたまになってます(笑)

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はと様。

そ、そんなに?!Σ(゜Д゜)

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始まったー!おもろいのがー!!

早くー、続き見たいっすー!

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気、気になる、気になる、気になってしまいます!
続きが読みたいですー!
かいさん、頑張って~(*´∀`)

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