しーんとした雰囲気が漂う中、Aはおもむろに口を開いた。
A「そんなにかたくならないでくださいよ先輩。僕は、ただちょっと特殊な家系にあるだけでそれ以外は特別な力もないただの大学生ですよ。」
B「お前は何が目的なんだ?」
A「僕は家系の事情である男を追っています。その男が、学校の七不思議に関係してるかもしれないと親父に聞いたので、ちょうど七不思議について今調べているところだと言ったらこのお札をくれました。」
そう言って、地面に落ちているお札を拾った。
B「そういう事か。疑って悪かった。今日は助けてくれてありがとな。もう時間も遅いしそろそろ帰るか。」
A「そうですね。」
C「そうね。」
3人が家に帰ろうと非常階段に向かって歩き出した時…
女「あのー、私はどうしたらいいのでしょうか?」
A「1度成仏されるのを邪魔されてしまうと成仏するのは難しいですね。でもあの女がいなくなったので、屋上以外にも自由に動き回れると思うよ。」
女「そうですか。1つお願いがあるんですけど良いですか。」
B「何だ?」
女「私も一緒に連れて行ってください。」
A・B・C「は?」
女「だから一緒に連れて行ってください。」
A「自由に動けるとは言ったけれど何でそうなるんだ?」
女「だって、することないんだもん。君達が七不思議がどうちゃらって話をしてたからおもしろそうだなと思って…」
C「別にいいんじゃない。別に邪魔をするとは言ってないんだし。」
女「やったー。私の名前は咲(さき)よろしくね。」
B「咲って何歳なの?」
咲「19の時に死んだから19才。」
B(デリカシーのない事聞いたかな)
B「そうか。俺たちの自己紹介は明日しよう。明日もいつもの所に集合。」
A・C・咲「りょーかい。」
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翌日
B「俺の名前はB、このサークルのリーダーだ。」
いつものサークルの部屋で自己紹介が行われていた。
C「私はC。」
A「俺はAっす。わけあって、ある男を追っています。このサークルに入った理由とは全然関係なくてたまたま親父に頼まれただけです。」
B「そういや、お前何で人食い鏡に取り憑かれたのに、昨日あの女を祓えたんだ?」
BはAに疑問をぶつけた。
A「俺はそういう力ないので昨日見せたと思うんだけどですけど、親父に貰ったお札の力借りました。」
B「そうか。俺はてっきり力を隠すために人食い鏡にわざと取り憑かれたものだと思ってた。悪い。」
A「全然いいですよ先輩」
咲「えっと…」
B「すまん咲。関係のない事まで喋っちゃて。」
咲「別にいいよ。同じ歳だからタメでもいいよね?」
C「うん。いいよ。」
咲「やったー」
こうして自己紹介が終わった。
B「自己紹介が終わったところで七不思議について話し合う。3つ目は、地獄の門だ。」
A&咲「地獄の門ってなに?」
B「お前ら気があうな。地獄の門って言うのは、毎月、6日の午後6:59:59秒に学校の正門をくぐると地獄につながるっていう話だ。過去に行方不明になったまま帰ってこなかった奴もいるみたいだ。」
A「6日ってちょうど明日じゃないっすか。」
B「そうだ。明日は休日だから6:50に正門前集合な。」
A・C・咲「了解」
B「それじゃあ解散。」
翌日午後6:50
正門前に4人が集まった。
B「よし、集まったな」
A「今思ったんですけど、咲も地獄の門くぐれるんですかねぇ?」
C「地獄って本来死んだ人が行くところだから大丈夫じゃないのかな。」
咲「私、生前に悪い事しちゃったから地獄にいったら元の世界に戻ってこれないかも。」
A「そんときは、俺がどうにかしてやるよ。」
咲「ありがとうA君。君優しいんだね。」
そう言われたAは、顔がすこし赤かった。
B「もうそろそろ時間になる。準備をしとけ。」
6:59:50秒
B「門の前にこい。」
その呼びかけで4人は門の前に立った。
A「なんか緊張しますね。」
C「そうね」
6:59:59秒
B「行くぞ」
4人は門をくぐった。門をくぐるといつの間にか、A達の大学のー中にワープしていた。
B「ここは学校か?地獄につながるんじゃなかったのかよ。」
A「ワープするとこまではよかったんですけど、何か期待外れでしたね。」
B「そうだな。ここにいても何も起きなそうだし外に行ってみるか。」
咲「待って何か聞こえない?」
AとBが行こうとした時、咲が2人を呼び止めた。
B「そういや、何かきこえるな。」
……ジリリリ
それはスピーカーから聞こえているようだった。
A「もしかして、放送室の電源がついてのかもしれないですね。」
C「でも、今日は休日だから生徒はいないはずなんだけど…」
その時、
「鬼ごっこスタートです。ゴールは、学校の正門でーーーーーす。」
B「何だこの放送は。内容も意味がわからないし。」
咲「予想だけど、内容はそのままじゃないかなぁ?」
放送が流れてから数秒後、廊下の方から大きな足音のようなものが近づいてきた。
C「誰だろう?私様子を見に行ってみる。」
Cが教室のドアを開け廊下を見ると、
C「きゃあああ」
B「おい!どうした。」
C「アレ」
Cが指差した先には、まさに童話に出てきそうな赤鬼がいた。
A「どうしたんですか?って、赤鬼!先輩、俺の勘違いならいいんですけど、何かあの赤鬼、こっち見て笑ってませんか?」
B「あぁ、笑ってるな。完全に。俺さぁ、この先の展開読めたんだけど…」
そうBが言った瞬間、赤鬼がこっちに向かって走ってきた。
B「お前らとりあえず走れぇぇ!」
Bの呼びかけで4人は一斉に走り出した。
B「やっぱりこうなるよな!」
咲「私も分かった。」
C「どういうことなの」
咲「さっきの放送はそのままの意味で簡単に例えるとリアル鬼ごっここ的な感じ。」
A「それより鬼は…ってすぐ後ろにいる!」
C「ここから逃げ出すためには、放送にあった正門に行くしかなさそうね。」
B「でもこのままだとすぐ追いつかれるぞ」
鬼はもうすぐ後ろまで迫っていた。
A「くらえ!」
そう言ってAは、ポケットからお札を取り出した。そして、呪文(?)を唱えた。
A「*+\$|€*|€\|」
すると、赤鬼は急に苦しみ出し走るのを止めた。
A「今のうちです」
その間に、4人は、一気に正門まで駆け抜けた。そして、正門をくぐると、苦しんだ後、またすぐにA達を追いかけ始めた赤鬼の姿は見えなくなっていた。
B「何とか助かったか。まさに地獄だったな。」
C「危なかった。でも、生きて帰って来れてかったわ。」
咲「きっと行方不明になった人達は、あの鬼に捕まったんでしょうね。」
皆が安堵する中、Aだけは
A「これもあいつのせいか。」
そう意味深な発言をするのであった。続く
作者時雨
出すのが遅くなってすいません。少しセリフが多くて読みにくいかもしれません。何かアドバイスあったらコメントお待ちしております。