これは、ある大学のサークルでの物語である。
A「先輩!今日はここに行きましょうよ。」
B「はぁ~。A、ここは去年行って何も無かっただろう。」
A「そうでしたっけ。あはは」
C「A君しっかりしてよね。」
今日も、ここ心霊研究サークルでは、何度目かも分からないやり取りをしていた。
心霊研究サークルとは、心霊スポットなどに行き、心霊現象を研究するサークルの事である。
心霊研究サークルは、天然でドジの後輩A(1年)と面倒見の良い先輩B(3年)としっかり者のC(3年)の3人構成だ。
B「それにしても、今日は、どこに行こうか。」
今日は、来月提出のレポートの事についての話し合いが行われていた。
C「それなら、七不思議なんてのはどうかしら?」
A「それですよ先輩!」
B「そういえば、七不思議については調べたこと無かったなぁ。」
七不思議 それは、学校にある7つの怪談の事である。七不思議には、知ってはいけない怪談がある。
それは、7つ目の怪談だ。それを知ってしまった者は、良くないことが起こるという。
A「七不思議って何がありましたっけ?」
B「お前、それでも心霊研究サークルの1員かよ。七不思議はな…」
B「1つ・・・人食い鏡
2つ・・・落ちる女
3つ・・・地獄の門
4つ・・・たきこさん
5つ・・・誘いのトビラ
6つ・・・死者と繋がる電話
7つ・・・???
この7つだ。7つ目が知ってはいけないことはお前も知ってるな。」
A「それくらいは知ってますよ。で、どの怪談を調べるんですか?」
B「7つ目も含めて全部だ。7つ目のことを知った後、何が起こるのかを、レポートに書こうと思う。
何か意見がある人はいるか。」
A「楽しそうっすね。」
C「私もそれでいいと思うわ。」
B「じゃあ決まりだな。だが、7つ目を知るためには、全ての怪談を実際に見た後、図書室に現れるという黒い本を読まなければならないらしい。だから今日は、1つ目の、人食い鏡について調べることにする。」
C「人食い鏡って2階の踊り場の大きな鏡が、夜の12:00になると、人を食べるって話よね。」
B「そうだ。実際に忘れ物を取りにいった生徒が食べられかけて、逃げようとして階段から転落したらしい。」
A「楽しみっすね先輩。」
B「遊びで行くわけではないんだぞ。」
C「でも、どうやって12:00の学校に入るの?」
B「それは俺に任せろ。それじゃ、今日の夜、11:30に学校前集合。質問がある人。」
・・・
B「いないな。それじゃ解散。」
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PM11:30
あたりの家一帯は、ほとんど電気が消え漆黒の暗闇が広がっていた。そこには、3つの影があった。
B「皆集まったな。懐中電灯とビデオカメラは、俺が用意した。学校へは、俺が放課後開けておいた、職員室窓から侵入する。」
A「さすが先輩は準備が早いですね。」
C「ごめんねB君任せっきりで。」
B「準備については気にする必要はない。その分、この後は、頑張ってもらうぞ。」
A「任せてください先輩。」
B「頼もしいな。それでは、今から、学校に入る。ついてこい」
学校に入ると、いつもいる学校とは違う空間にいるのではないかと思うほど、雰囲気が違った。
C「確か例の大鏡はこっちよ」
Cに連れられてきたのは、2階の踊り場にある全身が映るほど大きな大鏡の前だった。
C「今何時?」
B「今ちょうど12:00だ。噂によればこのあと…………」
異変はすぐに起こった。
B「Aどうしたんだ。悪ふざけのつもりならやめろ!おいC、Aを押さえろ。」
Cもすぐに異変に気づきAをBと一緒に押さえつけた。異変が起きたのは、Aが鏡の前に立っていた時だ。なんと、Aは自分の指を食べ始めたのだ。指からは血が流れ、歯の跡がくっきりと残っていた。
C「なんなのよこれ!A君しっかりして」
A「ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
B「そういうことか。おいC!俺がAを押さえておく、その間に、持っている懐中電灯で鏡を割れ!責任は、俺が取る。」
C「なんで!」
B「説明している時間はない!とにかくやるんだ!」
C「責任はしっかりとってよね!」
パリン!次の瞬間、鏡は木っ端微塵に砕け散った。Cが鏡を割ったのだ。
B「Aも、すぐに目を覚ますはずさ。」
C「よかった。それより、さっきのアレはなんだったの?」
B「アレが人食い鏡の正体さ。12:00に鏡の前に立っていた奴に取り憑き、その体を食べるんだ。」
C「何でそんなに詳しいの?」
B「俺もアレの正体が分かったのは、ついさっきだけどな。どこの国の話かは忘れたけど、これに似たはなしがあったから…」
C「それで、鏡を割れといったのね。」
B「うん。こんな事になってしまったし、Aが起きたらすぐに帰ろう。」
その後、Aが起き、3人は、家に帰った。Aは取り憑かれた時の記憶はないらしい。これでこの事件は、終わったかのように思えたが………
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「ばかものーーーーーーー!」
B「ヒッ、だからですねオバケが出てですね・・・」
先生「貴様は私をなめているのか?そんな言い訳通じるはずなかろう。夜の学校に入った事は、百歩譲って許そう。だが、何だ!鏡を割るとわ・・・ガミガミガミ」
責任を取ったBの話はまた別の機会に詳しく
残る七不思議
・落ちる女
・地獄の門
・たきこさん
・誘いのトビラ
・死者からの電話
・???
作者時雨
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