ーーーーーーーー
バシッ!!
康夫は目を疑った。
男Aの振りかぶった斧を意図も簡単に片手で受け止める。
男A「、、な、な、生意気な〜!!く、く、クソ!動かん!!」
銀助の左手に掴まれた斧はビクともしない!!
銀助「な?康坊。ココを変えるんじゃ!ココを!」と、さっき言った時と同じように右手の人差し指で頭をコンコンと打つ。
銀助「じゃがなぁ、お前を倒しても何もならんからのー。」と、左手に掴んだ斧ごと 男Aを後方に押しやると、男Aは抵抗出来ずに10m後ろの竹林に突っ込んだ。
銀助「さて、康坊。誰を倒せば良いか分かるかな?」と康夫に問う。
康夫「は、はい!その人だと思います!」と、さっきと打って変わってハッキリとした口調でその男を指差す。
男Cを。
銀助「うむ。正解じゃ。この中の頭領はこいつじゃ。こいつを倒さん限り、此奴らは止まらんからの。」と銀助が男Cを金色の瞳で睨む。
男B「そうはさせるか!ヒュッ!」と男Cの放った吹き矢が二、三発、銀助に飛ぶが、これもまた簡単に手の甲で払い除けた。
男C「…バケモンか!あのジジイ…。」
銀助「康坊。吹き矢は大体、毒やら麻痺するもんが塗られとる。もし、食らったら速攻で血を抜けよ。抜き方は後で教えるわい。」
そう言いながら、銀助は男C【頭領】に歩きながら近づく。
「ガァ〜!!クソ〜!」と男Aが竹林から起き上がり、銀助に突進する。
銀助「はぁ〜、めんどいのぉ。もう、お前は寝とれ!」と、突進して来た男Aをヒラリと交わし、コメカミを指で突いた。
「トン」
男Aはそのままの体制で前のめりに倒れ込んだ。
康夫「す、凄い!!」
康夫は思わず声に出す。
銀助「さぁ、どうするかのぉ。頭領さんと吹き矢君。まだ続けるのかな?」
頭領「ま、参りました。貴方には敵わない事は目に見えています。こいつは紛いなりにも仲間ですので、連れて帰ります。」と言うと、頭領はヒョイと片手で男Aを肩に担ぎ、暗闇へと消えて行った。
銀助「ふむ。やっとる事は悪事じゃが、仲間想いの有る奴らじゃったな。のぉ、康坊。」
と、言うと銀助の瞳は金色の光を失っていった。
康夫「何なんですか?さっきのは。銀助さんの目が光ったり、凄い事をやってたり。僕にもあんな事が出来ればなぁ……。」
銀助「出来る!出来るぞ!さっきの音が聞こえたんじゃろ?あの音が聞こえる人間は康坊で2人目じゃ。前に聞こえた奴は覚えて行ったぞ!!」と力強く康夫に言う銀助。
康夫「でも、僕はこんな身体で上手く動かないし…。」
銀助「なぁ康坊。人間、死のうと思えば何でも出来るんじゃぞ。嘘では無い。康坊は死のうと思うてワシと土佐まで行こうと思ったんじゃろ?」と優しく諭す様に話す。
康夫は鼻水を垂らしながら泣き、頷く。
銀助「そんなら、ワシと土佐まで行って死ぬ気でコレを覚えてみんかい!なぁ?!」と潤んだ瞳で康夫の肩を強く抱き締める。
ーーーーーーーー
そこで夜を明かした銀助と康夫は、元気よく大木を背にしながら土佐まで行くので有る。
続く…。
作者マコさん
今回は少し短めでした!(゚o゚;;すみません!
時間が上手く取れなくて。