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中編3
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処刑公開

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みなさんは心霊写真と呼ばれるものをご覧になったことがあるだろうか。

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おそらく、大半の人間がイエスと答えるのではないか。

このサイトに来るような方なら間違いなく見た経験はお持ちだろう。

最近では動画にお株を奪われてしまっているが、かつて心霊写真は老若男女を問わない大人気のコンテンツだった。

十数年前くらいはそれだけでゴールデンタイムに一番組作れてしまったくらいだ。

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そんな心霊写真だが、当然僕も見たことがある。

TVや雑誌、書籍にネット。実物も何枚か目にした。

記憶にあるのは、親戚のおばさんに白い蛇が巻きついているという写真。

けれど、そんなものに心躍らせたのはせいぜい高校くらいまで。

今となっては陳腐以外の何物でもない。

見た瞬間はおっ!と思うものも、所詮写真は写真。

いくらでも解釈はつけられる。

(ちなみに前述の白蛇写真はカメラのストラップにフラッシュが反射しただけというよくあるやつ)

加工は容易い。Photoshopなんて使うまでもなく、ペン一本であなたも心霊写真が作れる。

難易度が若干変わるだけで、動画でもそれは同じことだ。

面白いなあと思うだけ。全然怖くない。

写真や動画に収められた風景においてその瞬間、その霊やら何やらが存在したという実証が為されない限り、恐怖は生まれない。

そんな実証など、まあ出来はしないだろう。

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前置きはここまで。

これから僕が昔見た「存在の証明がなされた」映像の話をしようと思う。

もちろん、霊は実証などできない。

実証されたのはまた、別のものだ。

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199×年、××(関東や関西などの言葉が入ると思っていただきたい。場所は伏す)ローカルの情報バラエティ。

生放送番組だ。

スタジオのアナウンサーを含む出演者と現場のリポーターを中継で結ぶというもの。

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最近はどうだか知らないが、90年代くらいまでは毎日のように繰り返されたオーソドックスな構成だ。

地方らしく原色が散りばめられた安上がりのセット、不自然に明るすぎる照明。

それだけでも過剰なのに巨大なぬいぐるみや熱帯魚の水槽までバックに配するセンスの無さ。

やけにテンションの高い無名のリポーター。

みなさんもこのような番組を一度は目にしたことがあるのではないか。

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異常な事態が発覚したのは番組終了後、視聴者から寄せられた一通のFAXだった。

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曰く、一行。

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「アナウンサーの後ろにずっと死体が映っている。」

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このFAXを手に取った局の女性スタッフはスタジオを見た瞬間に気を失ったという。

その後、集団ヒステリーに似たパニックが生じたそうだ。

以下、その詳しい説明。

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進行役のアナウンサーの左後方に配置された巨大なクマとリスのぬいぐるみの間に死体は立っていた。

その体全体がクマのぬいぐるみと同じ茶色の毛皮で覆われ、顔には隆起にしたがって細かい毛皮の破片が丁寧に糊付けされていた。

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スタジオにいた人間が誰一人として気付かないレベルの精巧な細工。

しかし一旦気が付いてしまえば、もうそれは人にしか見えない。

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死因が自殺(詳細は不明)であり、また局内の人間だったことから大掛りな捜査は行われなかった。

報道も極端に少なかったと記憶している。

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二年くらい前、一度その映像を見る機会があった。

カモフラージュがされていても、それは最初から死体にしか見えなかった。

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