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死神と俺の日常 #35

music:1

チンエル日記

私は死神代行執行者チンエルである。

しかし、今は…このような姿になってしまった。

死神憑きの鈴木の命を迎えに来たのが運の尽き…

神様によって…

「チンチクリンに」そう、チンチク…!

そこへメダカの専門雑誌を読みながら

チンエルの背後を通り過ぎる鈴木が

「チンエルだけに、チンチクリンになったなww」

チンエルは勢いよく振り返りキーキー喚く

「黙れ!誰のせいだと思ってるんだ!」

鈴木は爆笑しながら部屋へと消えた

まったく…この姿では何もできん…

いつか必ず奴を仕留めてみせる!

チンエルは、ぬれ煎餅を頬張りながらチンエル専用のマグカップでお茶を飲む。

あーー夕焼けが綺麗だ

「ですねー」

チンエルが横目で見ると隣でお茶を飲む死神が

いつの間にか座っていた。

「クロウ様…なんで人間なんかに?」

死神は夕焼けを眺めながら

「さあ…彼は死ぬ予定もないし、私の予定もないし、それならいっそのこと人間の暮らしとやらを味わってみようかなっと」

チンエルはお茶に浮かぶ茶柱を見つめ

「…。楽しいですか?」

死神は笑いながら

「彼といると楽しいのは間違いないね」

……。それなら私も…

って!ダメダメ!

チンエルは頭を抱え夕焼け空を見上げ

心の中で叫ぶ

私は天使なんだよ?結構、偉いんだよ!

危ない…危ない…早く力を取り戻して

奴の命を…

弟が叫ぶ

「危ない避けてー!!!」

なぜか横から皿が飛んで来てチンエルのコメカミに直撃する

「アベブッ!」

死神はゲラゲラ笑いながらチンエルを見る

「だから!俺はぬれ煎餅なんて食べてないって!」

面田は鈴木を鬼の形相で皿を投げながら

「テメェ以外に俺の高級ぬれ煎餅食う奴なんて他に誰がいんだ!コラァ!!」

面田はマウントポジションを取りハリセンで叩きまくる

「だから、俺じゃねぇ!ぬれ煎餅は嫌いなんだよ!」

ふと、チンエルを見た鈴木が気付く

「面田!あれッ!!あれ!」

面田が鬼の形相でチンエルの方を見ると

チンエルがムクリと起きてコメカミを摩りながら

残ったぬれ煎餅を口に運ぶ

「まったく…貴様らは天使をなんだと思ってるんだ」

「おい」

「力が戻ったらギタギタのズタズタにしてやる」

「チンチクリン!」

「誰がチンチクリッ!!」

面田はハリセンを振りかぶりチンエルのコメカミを直撃する

死神は面田の流れ弾を避けてお茶を飲む

チンエルは、あまりの衝撃に吹き飛んだ

「ノアアアアアアアアアアアアアッーー!」

チンエルは夕焼け空の

彼方に飛んで消えましたとさ…

めでたし、めでたし。続く!

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