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封印解かれし刻〜予期せぬ敗北〜

長編13
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封印解かれし刻〜予期せぬ敗北〜

匠と蛍はその身を融合させ、化け物に凄まじい連撃を加えた。

その攻撃により、その体の大半を失い瀕死の状態の化け物。

だが…。

圧倒的有利と思われたのも束の間、本性を現した化け物の反撃に合い、致命傷を負ってしまう匠。

窮地に立たされた匠であったが、トメへの想いを胸に再び立ち上がる。

そんな時、不意に匠の耳に聞き慣れた声が届く。

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?!

匠は不意に聞こえた声に反応し、上を見上げた。

匠「お前…。

どうしてお前がここに…?」

驚いた表情を見せながら、上を見上げる匠の視線の先。

そこには、ニッコリと微笑む葵の姿があった。

葵「どうやら何とか間に合った様ですね(笑)」

葵は匠に手を貸し、穴から引き上げながらそう言った。

匠「間に合ったって…。

お前は今回の事を知らない筈じゃ…。」

急に現れた葵に匠は困惑を見せる。

そんな匠に対し、葵は大きな溜め息をつき、首を左右に振る。

葵「カイさんですよ…。

彼から連絡がありました。」

匠「カイ?!

アイツ…。」

葵はもう一つ溜め息をつき、続ける。

葵「半ば脅迫でしたよ?

私も本業がありますので…。

あの時も丁度、依頼主から相談を受けている最中でした。

突然、カイさんから連絡があり、すぐに匠さんと紫水さんの元へ向かえと…。

勿論、依頼主にご迷惑は掛けられませんので、お断りしたんですが…。

そんなものは放っておけ。

今すぐに二人の元へ向かわなければ、一生呪ってやる。

と言われまして…。

困りましたよ…(笑)」

葵はそう言い、苦笑いを見せた。

匠「カイのヤツ…余計な事を…。

だが…正直、お前が来てくれてホッとしてるよ…。」

そう言う匠の表情が曇りを見せる。

葵はそんな匠を見つめながら言う。

葵「それ程の相手…。

と言う事ですね…。

私にも良く分かります。

なんせアレを見るのは私も初めてですから…。」

?!

葵のこの言葉に匠が驚いた表情を見せる。

匠「アレ?

見るのは初めて?

葵!お前アレがなんなのか知ってんのか?!」

匠は興奮を抑えきれず葵に問う。

葵「知っている…とは少し違いますが、話しに聞いた事はあります。

アレを見るのは初めてだと言いましたが、此処へ来て、アレを目にした時、すぐに確信しましたよ。」

匠「知ってんだな?

だったら勿体つけねぇで教えてくれ!

あれは一体なんなんだ?!」

匠は葵に詰め寄る。

葵「あれは…人間が生み出したモノ。」

匠「はぁ?

人間が生み出したモノだ?」

匠は葵の言葉が信用出来ないらしく、少し呆れた表情を見せた。

葵「人間が生み出したと言っても勿論、人口的に。と言う意味ではありません。

言うなればアレは、人が人を呪いたいと願う、念の集合体。

それも、呪いによって命を奪われた者達が、自分を呪った相手を呪う気持ちの…。」

葵の話を聞き、匠が眉をしかめる。

匠「呪った相手を呪う?

なんだかややこしいなぁおい。

要は呪いの被害者が、その加害者を呪うって事だよな?

その念が形となってアレが生み出されたって事か?」

葵「その通りです。

我々、呪術師は人を呪う術を修得し、依頼主からの依頼があって初めて対象者を呪います。

その対象者を呪うのに、我々がその代償を払う事は決してありません。

それは我々が術を修得した術者だからです。

しかし、本来呪術とは、術者が払う代償に応じて、その効力を強めるもの。

呪いを受けた者が呪った相手を呪い死んでいく。

要は、自らの命を代償とした呪いなのです。

自らの命ですよ?

代償としてはこれ以上無い程の対価…。

その力は私にも想像すら出来ませんよ。

ですが、幾ら命を代償とした呪いでも、術を施さない限り、呪いとしては成立しません。

呪われた本人に実害が及ぶ事も有り得ないでしょう。

では、命を代償としてまで掛けられた呪いはどうなるのでしょう?

それは念となり、形無き者としてこの世をさ迷い続けます。」

匠「それが何かの拍子に混ざりあってアレが生まれたって事か…。」

葵「えぇ…。

そして…。

アレは恐らく…この世から消す事は出来ないでしょう。」

葵は複雑な表情で匠を見つめた。

匠「そんな顔すんなよ葵?(笑)

俺もアレとやり合って分かってたよ。

アレには勝てねぇってよ…。

でもよ?

放っておくわけにもいかねんだ。」

匠の表情が真剣なものに変わる。

葵はそんな匠をじっと見据える。

葵「勿論です。

倒せないというのであれば封じれば良いだけの話し。

私に出来る事は何でも言って下さい。」

匠は葵の言葉に少し笑顔を見せた。

匠「ありがとよ。

封じるか…。

なら俺にちょっと付き合ってくれや。」

葵は匠の言葉に笑顔で頷いた。

だが、ふと何かを思い出したかの様な表情を見せる。

葵「ところで…。

紫水さんが見当たりませんが…?」

?!

匠も葵の言葉に何かを思い出した表情を見せた。

匠「夢中で化け物を追って来たからすっかり忘れてたぜ!

そういえば紫水は何処行ったんだ?」

今まで目の前の化け物に夢中であった匠は、共に来た紫水の事をすっかり忘れてしまっていた。

葵「まぁ…あの方の事です…。

すぐに来られるでしょう。

それより…。

まずはアレを何とかしましょう。」

そう言うと葵は化け物に視線を向ける。

化け物は穴を覗きこんだ体制のまま、微動だにしない。

葵「今は私の術で、闇の中をさ迷って貰っています。

しかし、それも時期に解ける。

それまでに次なる一手を。」

匠「あぁ。

分かってる。

それで、悪いんだけどよ?

アイツの動きをもう少し封じる事は出来ねぇか?」

匠は、次なる術の準備の間、葵に化け物の動きを封じて欲しいと頼んだ。

葵「分かりました。

では、もう少し深い闇へと墜ちて頂きましょう。」

葵はそう言うと、足を使い地面に呪文の様な物を書き、その周りを円で囲う。

そして、自らの腕をナイフで傷付け、流れ落ちる血を円の中心へと垂らす。

ゆっくりとしゃがみこみ、両手を地面へとつける葵。

葵「闇に巣食いし悪鬼共。

我、汝らに命ず。

我が血の契約に於いて、更なる闇の力を我に見せよ…。」

葵が地面に手を付き、そう唱えると、化け物の体が一瞬、ブルっと身震いを起こした。

葵「これでもう暫くはヤツも動く事は出来ない出来ないでしょう。

ですが、そう長くはもちません。

後は宜しくお願いします。」

葵は地面から手を離し、その身を起こすと匠にそう話した。

葵が立ち上がるのを見届けた匠は、既に術の準備に入っている。

匠は胸の前で印を結んだ後、懐から無数の札を取り出し、それらを宙へと放り投げた。

放り投げられた無数の札は、ヒラリヒラリと宙を舞い、風に煽られあちらこちらへと落ちていく。

パァ―ン!!

不意に渇いた音が響き渡る。

匠が手を打ち、その手を胸の前で合わせている。

?!

すると、匠が手を打った直後、地面へと散らばった無数の札が、まるで意志を持つかの様に再び宙を舞い始め、連なる様に化け物の周りを舞い始めた。

パァ―ン!!

再び匠が手を打った。

それと同時に周りを舞っていた札が一斉に化け物の体に貼り付いて行く。

そして、無数の札に貼り付かれ、化け物の体が覆い尽くされた時、匠が叫ぶ。

匠「蛍!!」

匠の声に、いつの間にか化け物の頭上に舞い上がっていた蛍が頷く。

そして、蛍は青く光る美しい羽を三度羽ばたかせた。

蛍が羽ばたいた事により、無数の羽が抜け落ちて行く。

そしてそれらは、一直線に化け物へと向かい、その体に突き刺さっていく。

パァ―ン!!

三度目。

?!

匠が三度目に手を打った瞬間、化け物に突き刺さる無数の羽が青い炎を上げ燃え始めた。

匠「てめえを殺せねぇのは不本意だけどよ…。

だが…てめえはこれで終わりだ!」

青く燃え盛る炎に包まれていく化け物。

徐々にその形が小さくなっていく様に見える。

そして…。

ボンっ!!

突然、激しい衝撃音と共に爆風が吹き荒れた。

その余りの衝撃に、匠と葵は吹き飛ばされた。

匠は運良く茂みへと落下したが、葵は巨木に体を打ちつけ、その身をゆっくりと崩していく。

匠「あ、葵!!」

?!

葵の身を案じ、すぐに声を掛けた匠は、そこで信じられない光景を目の当たりにする。

巨木に背を預け項垂れる葵。

その前に立ち、上半身を屈め葵の顔を覗き込む化け物…。

匠「そんな馬鹿な!!

?!

葵!!

ヤベェ!!

早く逃げろ!!!」

匠の必死の呼び掛けに目を覚ました葵がゆっくりと顔を上げる。

?!

意識を取り戻した葵の眼前…。

鼻が当たろうかという距離に化け物の顔があった。

?!

葵は直ぐ様、両手を動かそうとするが何故かピクリとも動かない。

見れば、無数の髪が葵の腕に巻き付き、その自由を奪っていた。

自由を奪われ、眼前に佇む化け物に流石の葵も焦った表情を見せる。

そして…。

?!

葵「ぐっ…」

?!

匠「てめえ!!

葵!

葵!!!」

動けない葵に対し、化け物がその鋭く尖った爪を突き立て、胸から腹へとゆっくりと下ろしていく。

葵「ぐぁ!」

みるみる内に葵の体が鮮血に染まっていく。

匠は直ぐに葵の元へ向かおうとするが、落下の衝撃で体が言う事を聞かない。

?!

このままでは、葵に最悪の結末が。と匠が考えた時、不意に化け物が葵から爪を抜き、ゆっくりとその場から離れた。

この化け物の行動が匠には理解出来ない。

だが、とりあえず最悪の結末は逃れられた事に匠は安堵する。

何故か葵に背を向けた化け物は、ゆっくりとその歩を進め、二人から少し離れた、地中から突き出す岩へと腰を下ろす。

そして、ニヤニヤと嫌らしい笑みを浮かべ、二人を交互に眺めた。

「お前…弱いねぇ…」

?!

この化け物の言葉に匠は、先程の不可解な行動の意味を理解する。

匠「いつでも俺達を殺せるって事かよ…。

俺達を…舐めてるって事かよ…。

てめえ…てめえ!!!」

匠は化け物に見下されている事に怒りを露にし、無理やり体を立ち上がらせた。

葵「た…匠さん…。」

?!

今にも化け物に襲いかからんとする匠を、瀕死の葵が止める。

そんな葵の声に我に帰った匠は直ぐに葵の元へと駆け出した。

匠「葵!!

お前大丈夫か?!」

匠は葵の元へしゃがみこみ、様子を伺った。

葵「完全に遊ばれましたよ…。

ヤツは殺す積もりはありませんでした…。

表面の皮だけを裂いています…。」

葵は匠に肩を借りながら立ち上がると、化け物を見据えながら言った。

葵「封じる事も叶いませんか…。」

化け物から目を離さず、葵が呟く。

そんな葵を暫く見つめた後、匠が言う。

匠「葵。

ありがとよ。

こっからは俺一人でやる。

お前は…逃げろ。」

匠は真剣な眼差しで葵を見ている。

そんな匠の言葉に、一瞬驚いた表情を見せた葵だったが、フッと軽く笑って見せた後、匠に言った。

葵「逃げろと言われて、私が逃げるとでも?(笑)

それに、貴方一人でどうする積もりです?

一人なら0でも二人なら一位にはなるのでは?(笑)

それなら、その一%に賭けてみるのも悪くはありません。」

匠「葵…。

お前…。」

匠は葵の言葉に少し目を潤わせていた。

葵「泣いている暇はありませんよ?(笑)」

葵はそう言うと匠の肩から離れ、大きく息を吐いた。

匠「そうだな…。

一%の確率なら、四の五の考えずに、思いっきりやってやるか!」

二人は真っ直ぐに化け物を見据える。

その顔は覚悟を決めた男の顔。

そんな二人の覚悟を感じとったのか、ゆっくりと立ち上がる化け物。

キ―ン。

一気に張り詰めて行く空気。

匠「葵。

行くぜ。」

匠の言葉を合図に二人が足を踏み出した。

バン!!バキバキバキ!!

?!

化け物に向かい、歩を進めようとした二人の目の前を、突然凄まじい勢いで横切って行く影。

そしてそれは、二本、三本と巨木を薙ぎ倒し、その勢いを弱め、地面へと落下する。

突然の出来事に、二人だけでは無く、化け物ですらその影の正体に目をやっていた。

そんな中、影に目をやっていた匠と葵が声を上げる。

匠「お、おい!」

葵「まさか…。」

突然、二人の前を横切り地面へと落下した影…。

それは、着ている衣服もボロボロに、体中から血を流す手負いの紫水であった。

匠「し、紫水!!

お前…何やってんだよ!!」

匠と葵は直ぐ様、紫水の元へと駆け出した。

葵「紫水さん!

貴方程の方が…。

一体何が?!」

突然現れた瀕死の紫水に二人は戸惑いを隠せない。

そんな二人に対し、紫水は少し困った様な笑みを見せた。

紫水「匠さん…。

遅くなって申し訳…ありません…。

葵…さんも来ておられたの…ですか…。」

匠「そんな事聞いてんじゃねぇよ!

お前、その怪我…。

何があった?!」

匠は紫水の体を起こしながら問う。

紫水「それが…」

「キ―!!!」

?!

突如、紫水が飛ばされて来た方角から聞こえた悲鳴の様な声。

二人はそちらに目をやり、じっと見つめる。

闇に閉ざされた暗い薮の中。

ガサガサと音を立て、何かが此方へと近いて来る。

そして、遂にソレが姿を現した。

?!

匠「な…なんだありゃ?!」

薮の中から姿を現したモノ。

その異様な姿に、匠と葵は絶句した。

ソレは、蛇の様に長い体を持ち、その太さは胴回りで一メートルはあろうかと思う程に太く、その頭は人間の赤子の様な姿。

そして赤子の様なモノの頭が二つに割れ、そこから縦に覗く、真っ赤に染まった一つの目。

突然目の前に現れた、余りにも異様なそのモノに、二人は息をする事も忘れてしまいそうになっていた。

紫水「恐らく…。

土地神の類い…。」

固まってしまった二人に対し、紫水が口を開いた。

葵「と…土地神…?」

匠「ちょっと待て紫水!

土地神って…。

曲がりなりにも神さんだろが?!

コイツは、とてもじゃねぇが神さん何てモンにゃ見えねぇぞ…。」

匠は音が聞こえる程に唾を飲み込んだ。

紫水「えぇ…。

姿を見る限り、神とはとても思えません…。

ですが…その力は神そのもの…。」

一体の化け物相手に死を覚悟していた匠と葵。

たが、その前に現れたもう一体の化け物…。

それが意味する事とは…。

匠「は…はは…。

ははははは!」

突然、匠が大声を上げて笑いだした。

その様子に呆気にとられる紫水と葵。

匠「おもしれぇよ…。

紫水。

やっぱりおめえはおもしれぇ(笑)

葵?おめえもだ。

俺はお前らみてぇなおもしれぇヤツらと出会えて本当に良かった。」

匠はそう言い、二人を見つめる。

紫水「ふっ…。

匠さん?貴方にそんな事言われたくありませんよ?(笑)」

葵「そうですね(笑)

私達より、貴方の方が十分に面白いですよ(笑)」

三人は顔を見合せ笑った。

暫く笑い合っていた三人だが、匠がフッと真剣な表情に変わる。

匠「紫水、葵…。

すまねぇ…。

無関係のお前らを巻き込んじまってよ…。

勝てる闘いならまだしも…この闘い…。」

匠の言葉に二人は顔を見合せた。

紫水「似合いませんねぇ(笑)

貴方の口からその様な台詞とは(笑)」

葵「これも一興。

なりふり構わず、暴れて見るのもいいのではありませんか?(笑)」

匠は二人の言葉に目を潤ませた。

匠「ったくよ…。

お前らは…。

そうだな…どうせなら最期に思いっきり暴れて見るか?(笑)」

そして三人は二体の化け物と向き合う。

紫水は舞う様にしなやかに動き、匠は胸の前で印を結び、葵は呪文を唱え、各々がその力を解放していく。

徐々に力を解放していく三人。

その周りを緩やかな風が包み始め、次第にそれはその力を強めていく。

そして…。

三人がその力を解放した時、辺りを包む風が更にその勢いを増し、暴風となりて周りの巨木を揺らし始めた。

耳に届く風の音。

それはまるで地鳴りの如く荒々しい音。

その風の音を耳に聴きながら、暫くの間睨み合いが続く。

そんな時…。

「ゥ…ルサ…ィ…」

風の音に混じり、微かだが声の様な物が聞こえた気がした。

?!

その声らしき物が三人の耳に届いた瞬間の出来事。

先程まで極限に力を解放していた三人が、次々に地面へと膝をつき項垂れる。

両手を地面へと張り付け、その視線は地面一点を凝視している。

その目は見開かれ、地面にポタポタと滴り落ちる涙。

だらしなく開かれた口からはダラダラと涎まで垂らしている。

この時三人は、どうしようも無い恐怖に襲われていた。

だが、それは目の前にいる二体の化け物に対してではない。

風に乗って微かに聞こえた声。

その声が耳に届いた瞬間、体から精神に至るまで全てを掌握された感覚が三人を襲った。

そしてそれにより、三人が感じとった物は絶対的死。

ほんの僅かに聞こえたであろう程度のその声に、力を解放していた三人が瞬時に死の気配を感じさせられ、それを強制的に受け入れさせられたのだった。

そして、その不可解な出来事は三人だけに限った事では無かった。

三人と対峙していた二体の化け物。

地面へと崩れ落ちはしなかったものの、その場から動く事が出来ず、その身を小刻みに震わせている。

この二体にもあの声が届いていた様だ。

先程まで、地鳴りが如く吹き荒れていた風もいつしか止み、辺りは静けさに包まれていた。

その中で、力なく項垂れる三人の術者と体を硬直させた二体の化け物。

どれ位の時間が経ったのか…。

そんな状態が暫く続いたが、ソレは突然動きを見せた。

?!

木々が生い茂る森の中。

月の光も届かぬ闇の中より、闇より更に黒い二本のナニカが凄まじい速度で姿を現した。

そしてソレは瞬時に二体の化け物を絡めとり、再び凄まじい速度で闇の中へと姿を消した。

二体の化け物は悲鳴を上げる事すら許されず、そのナニカに闇の中へと引きずり込まれていった。

三人はその光景を目の当たりにしていたが、動く事も声を上げる事も出来なかった。

瞬き一つの間に、それら全てが終わっていた。

呆然とする三人。

先程までの感覚は嘘の様に無くなり、今は普通に動く事も話す事も出来る。

だが、三人の内、誰も口を開こうとはしない。

その声を聞いただけで死を覚悟させられ、何の選択も許されぬまま、敗北を認めさせられてしまった三人の術者達。

その誇りは地に堕ち、二度と取り戻せない程に深刻なもの。

この先、彼等はどうなってしまうのだろうか…。

そして…。

あの声の正体は…。

Concrete
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ふたば様。

そこまで深く考えて頂けるとは。
叔父さんもトメさんも居ない今、彼等が自力で乗り越えなければならない試練です。

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月舟様。

まさかとは??
はっ!(゜ロ゜)!
まさか?!Σ(゜Д゜)

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むぅ様。

の、呪い?!Σ(゜Д゜)
危なかったぁ〜(´д`|||)

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はと様。

正体不明ですが、コイツ強すぎでしょ?
こんなモンに勝てるか!(*`Д´)ノ!!!

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セレ―ノ様。

違います!
ピッ◯ロ大魔王です!(笑)

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よ〜ちゃん様。

いえいえ!
正体は近隣のオヤジですよ?(笑)

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珍味様。

近隣のオヤジ強すぎ!(笑)
でもそれ頂きますm(__)m
じゃあ正体は近隣のオヤジということで(笑)

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沙耶様。

ありがとうございます!
さすがというのはちょっと誉めすぎですよ(笑)

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りりぽょ様。

ちょっと強引に進め過ぎましたかねぇ?(^^;
さて…続きどうしよう…

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