短編2
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乗ってる人。

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これは私の中学生の頃のお話です。

弓道部に所属をしておりまして

下校時は近所に住む仲良しの女性の先輩と帰って居ました。

まみ先輩の事は好きなのですが、

まみ先輩の家はあまり近寄りたくありませんでした。

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まみ先輩はハッキリと視えちゃう人でした。

まみ先輩の家の前の方の家にはいつもセダンが停めてあります。

まみ先輩の家まで着くと中学生女子恒例の恋バナや

お菓子作りの情報交換に花を咲かせていましたが...

気になって気になって仕方が無いのです

とても恐ろしいので話どころじゃありません...

前の家のセダンに人が乗っていて

ずっとこちらを睨んで来るからです...

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乗ってると言っても車のシートではなく

車の上なんです。

┏○┓こんな風に男性が張り付いているんです...

私は今までボンヤリ人形やオーラが見える程度で

ハッキリクッキリ視えた事がなかった事もあり

まみ先輩に打ち明けました。

(先輩...セダンの上なんで.....す)

まみ(あかん!!!!!!!!!!!!!!!今言ったら来る!!!!!)

普段のんびりとしていて可愛い先輩が怒鳴った姿を見てかなり衝撃でした。

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その後まみ先輩の部屋に通され

まみ(はるちゃんにも視えるん?)

(はい...先輩と居るとハッキリクッキリなんです)

まみ(あはは(笑)それなぁ...多分私とはるちゃん一緒におるから強まって視えるんやと思うよ。)

(そんなオマケみたいなん嫌ですよぉぉ!!!!!)

すると突然まみ先輩は服を脱ぎ始めました

Σ(´Д`;)!?なんで!?!?

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まみ(見て。あの車の男に近付くとこうなるとよ)

私は驚愕して言葉が出ませんでした...

まみ先輩の腕、腹にはまるで鎌で手を切った様な跡が無数にありました

まみ(これ、はるちゃんにはないやんね?)

(ないです...)

まみ(私が行かせんように毎日しとるもん(笑))

まさに身体を張って守ってくれている先輩には感謝と申し訳なさで泣いてしまった覚えがあります。

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その後のまみ先輩は高校も同じで仲良くしていましたが、ある日突然叫び始めたり、突然大笑いしたかと思うと死ね死ね死ね死ね...など言う様になって

遂には入院してしまい、その後連絡すら出来なくなってしまいました...

まみ先輩のお母様にお電話をしてみた時の事ですが、お祓いにも何度も何度も行ったんだけどね...車の上の男が悪いのよね...全部...

それだけ言って電話は切られてしまいました。

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実家へ帰る度、まみ先輩のお家の前を通りますが年々まみ先輩のお宅に近づいています...祓えないモノ...そんな禍々しいけれど恐ろしいモノとは一体何者なのでしょうか...今でも分かりません。

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