中編3
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布団を剥いだのは・・・

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これは、前作【踊り場に棲むモノ】の体験後の話しです。

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10年程前の、12月の寒い日の夜の事です。

いつもなら日付を超えてから就寝するのですが、

その日は友人達とカラオケに行って遊び疲れたので

いつもより2時間程早く、10時過ぎには布団に入って眠りについていました。

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当時住んでいたその団地は、

3DKでダイニング(兼 居間)のすぐ隣が

私の部屋になっており、仕切りも襖のみ。

ダイニングは、親や兄弟がいるので

思春期真っ盛りだった私は、何となく

顔を合わせるのが嫌でよくふすまを閉めていました。

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その日も例外なく、

しっかりふすまを閉めて寝ていました。

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何か苦しくなって目が覚めた。

なんか・・・重い?!!?

凄く嫌な予感がして、違和感を感じる。

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視線を、違和感を抱いた方向へ向けると・・・

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shake

目の前に、

髪が異様に長く 白のワンピース着た

女が正座して、丁度私のお腹のあたりに座っていた。

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そして女と目が合った瞬間

身体が金縛りになっている事に気付く。

(ーヤバイヤバイ・・・どうにかしなきゃー)

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私は前作にも書いた通り、

霊的なモノにはまったく無知で

もちろん金縛りの解き方なんて知らない。

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そうしてテンパってる間にも

女は、私の顔へと近づいてきて

四つん這いの様な体勢になっていた。

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(ー何?殺される?!ー)

(ー私が何をしたって言うんだ!ー)

そんな事を考えていた瞬間

ヤツは、動いた。

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私の上にかかっていた

冬用掛布団&毛布を、

私から取って行くではないか!

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(・・・え? )

女は私の心の声を、

聞こえているかのように

血の気の無い唇の両端をあげて

ニタァ〜と笑う。

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そして布団が太ももくらいまで

剥がされた時、足元にある

押入れの中で体育座りをしている

小学校3年程の男の子が居るのも見えた。

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私は疲れて寝ていたのに、起こされて

尚且つこの寒い12月に布団を剥ぎ取られた

と言う状況に苛立ち初めていた。

(どこのどちらさんか解らないけど、私は何も出来ないから人の所に寄ってくるな!怖いし!)

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そう思って目をギュッと閉じて

たいして知りもしない念仏をひたすら唱えた

(南無妙法蓮華経 南無妙法蓮華経・・・)

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どれくらいの時間が経ったのだろう。

お腹の上に感じていた重みは

いつの間にか消えていた。

恐る恐る、目を開けると女も男の子も消えていた。

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身体も動けるようになっていたので、

腕をのばし、電気の延長ひもをつかみ電気を

つける直前に

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shake

電気の笠から女から女の顔だけが、出てきた。

血の気のない口をひらいて

「ま」「た」 「な」

と同時に電気がついた。

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そこに女の姿は、無かったが

太ももまで持っていかれた布団が

めくれた状態で視界に入った。

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とりあえず怖かったので、

当時流行っていたSNSでも見て

朝まで起きていようと思い

ケータイを開いたら

「AM 4:44」で、ゾッとした。

翌朝、親や家族に話してみても

誰1人信じてくれなかったけど

実際体験した本当の話です。

〜完〜

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