白川康夫がシラカワヤスオになるまで、、、其の五

中編3
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白川康夫がシラカワヤスオになるまで、、、其の五

music:5

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それからどの位の時間が経ったのだろう、、、、、

暗闇に自ら入り、背筋を伸ばして静かに目を閉じていた。

それから

康夫は銀助の教えを頑なに守り、「内観」に入っている。

そこで康夫は気付く。出来ないと決めていたのは自分自身だという事を。

そして徐々に座っている自分の身体の中心と重心が分かるようになると、それまで力を入れないと

背中を伸ばせなかった自分の身体が空気みたいに軽くなった。

それに応じ、意識せずとも背中を伸ばす事に成功する。

銀助は思う。

【やはり、素直で良い子じゃな。1か月程で内観を達成するかもよの。】

康夫は思っていた。これまでの自分の人生を。

親兄弟からも煙たがれ、近所に出る時は嫌味を言われる、そんな毎日を思い返すと腹ただしい気持ちになると同時に己の無力さを考えると何処にも持っていきようの無い、そんな空虚な気持ちなる。

!!!!!

shake

康夫はある事に気づいた。

康夫【待てよ、このやるせない空虚な気持ちを奥底まで持っていくと 何か見えて来るのでは?】

グングンと自分の中に入って行く、、、、、

そこに見えて来たのは暗闇よりも暗くて重い、そして暑いとも寒いとも言え無い空間に辿り着く。

康夫【ココが僕の心の中⁈。凄くイヤな空間だな。こんな僕では何してもダメなことは明白。

さて、どうしたら良いものか。、、、、】と、考えていると透明な影がネットリと康夫に近づいて来た。

それは憎悪と嫌悪、それと怨念の混じった塊。いつしか、そんな康夫の奥底に入り込み「心」の大部分を

締めていた者である。

music:3

wallpaper:1096

康夫は慌てる。

康夫【あ、あ、あ、何だこれは?!こっちに来るな!!クソっ!!コノッ!!、、、】

その透明な影が康夫に纏わりつく!!

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金色に輝く眼の銀助には見えていた。その怨念の塊が康夫に襲い掛かっている模様を。

しかし、銀助は何もやらないと決めていた。どんなに辛かろうが厳しかろうが自分自身の事である。

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康夫は覆い被さりながら纏わりつく怨念の塊を拒絶しようとしていた。

、、、そこでハッと思い返す。、、、【皆んなが僕にやっている事と同じだな、、。】

康夫は怨念の塊の事を何一つ考えないで拒絶していた事に気付き、少しでも分かってあげようと思い、

受け入れる心を持って接してみた。

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するとどうだろう。怨念の塊の感情という物が康夫の中にドドドっと流れ込んできた。

そんな蔑みと哀れな気持ちが康夫にはとても良く分かる。

人間も動物も霊も然り、皆んな「分かって欲しい」事が切に願う部分である。

康夫【そうなんだ。そういう事が分かって欲しかったんだな。うんうん、そうだよね。でもね、

僕は今からそればかりには執拗にこだわらない事にしたんだ!これから僕は変わるんだ!

悪い事ばかり有ったから、これからは良い事ばかり有ると考えてみる。ねえ、そんな僕に

力を貸してくれないかな?】

shake

というと怨念の塊は康夫から離れ、一気に小さくなったかと思うと大きく膨張して弾け飛んだ。

music:5

sound:34

その弾け飛んだ中心にはこの空間一帯を明るくする程の青白い光を放つ物が現れた。

康夫は手に取ろうと近づくと、その青白い光は康夫の口に飛び込んで来た。

俗にいう、「悟り」の一種である。

それから康夫は自然に目を開けた。

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music:2

銀助「おめでとう!!康坊。たった一週間で「内観」を物にするとは驚きじゃよ!!」

その言葉に驚く康夫は、

康夫「え?一週間経ってるんですか!僕の中では4・5時間位にしか感じ得ませんでした。」

の、言葉を皮切りにお腹がグ〜〜ッとなった。

銀助「康坊、腹減ったじゃろ?立ちっぱなしは疲れるからのう。 飯は向こうに出来ておる。猪鍋じゃ!」

その言葉通り、今はまだ力強く無いが確かに自分の脚で立っている自分にも驚いた。

銀助「康坊、今は食って喰って食いまくれ!」

康夫「はい!!頂きます!!」

続く、、、、

Concrete
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訂正。ただ僕が音声をオフにしていただけでした。

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何故か、全ての効果音がなりませんでした。

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