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短編2
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便乗企画「寄生蜂」

「寄生蜂って知ってる?」

「なにそれ?なにそれ?」

「人間の脳に寄生する蜂なんだ」

「うぇええ、なんか気持ちわりいな」

「寄生蜂がな、こう、飛んできて頭蓋骨に卵を植え付けるらしいんだ。」

「へぇー、それでそれで?」

「卵っていうと、何百匹って想像するだろう?でも、その卵にいるのはせいぜい3~4匹の寄生蜂の幼体なんだ。」

「ふぅーん。」

「でな、その幼体は頭蓋骨と脳皮の間をこう這いずり回って、成長していくんだな。」

「うぇええ、気持ちわりぃいな」

「いや、もっと気持ち悪いのはな、その幼虫大きくなってくると、脳皮を食い破って脳そのものを食べ始めるのさ」

「マジか!やべぇじゃん。そうなったらもう宿主は死んじゃうんじゃねぇのか?」

「いやこれが最も凄いんだがな、その幼虫は食った脳の機能を代替するんだよ」

「はぁああ?信じられねぇな、そんなの」

「いや、本当なんだって。だから宿主自身も気づかないうちに、頭の中を支配されてるなんてことが昔は結構あったらしいぜ」

「で、結局最終的にはどうなるの?」

「すべての脳を食い尽くしたら、宿主から飛び立って別の宿主の頭に卵を植え付けるんだって、もちろん元の宿主はそれでお陀仏さ。」

「へぇ、そりゃ怖いな。今の時代に生まれて俺達は良かったな」

「定期健診で、寄生蜂がいたらすぐ見つかるからか?」

「ま、それもそうだが。俺達に棲みついているのは、寄生蜂じゃなくて、共生蜂だからさ」

そう言って、そいつが見せた脇の下には、共生関係にある蜂達が巣をつくり、元気よく出入りしていた。

Concrete
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