夏の風物詩の一つに百物語がありますね。
この話は私が体験した百物語の実話になります…
今から何年か前の暑い夏の日、私はいつものようにSNSを読んでいました。すると私のページに仲の良い方から連絡が入りました。
今夜、仲良しの方を集めてチャットと通話ができるアプリで怖い話をするからというもので、怖い話好きな私はその話に乗りました。
一人最低一つ怖い話を用意するというルールも存在しており現代版の百物語みたいと私は思いました。
始まりの時刻は18時で、集まった方は8人ぐらいでした。そして主催者の方、Aさんがカードを用意しており箱に入れ引かれたカードの方が話をして行くというルールを話し、百物語のようなものがスタートしました。
いろんな方が怖い話をしていき、私もまた自分が体験した怖い話を話して、ふと時刻を見れば19時過ぎでした。
しかしまだまだみんなの怖い話は尽きませんし、話も段々と本格的になっていました。
すると私のマイクにザザッというノイズが入りました。
マイクの調子が悪いのかな?
そう思いマイクを少し弄るとノイズは止まりました。
マイク変えなきゃかも…
なんて息を吐きパソコン画面をみた時です。
8人の中の何人かのアイコンが点滅していました。
私達が使っているアプリはパソコンからもアクセス可能で、パソコンから使っていたら話している人がわかるようにアイコンが点滅する使用になっているのです。
今話しているのは一人だけで何人もの話し声なんて聞こえません。
沢山人がいるから不具合かな?
そう思いましたが、またザザッというノイズが入りました。
ノイズは大きくなり何人かのアイコンは点滅したままです。
「ねえなんかノイズしない?」
一人の女の子がそう言いましたが…
「人数が多いから仕方ないよ」
と主催者の方が返してノイズは人数が多いからしているのだと思うことになりました。
しかしそれから全ての人からノイズが聞こえ始め、声すら届かなくなったりしたので主催者が一度通話をやめてまた新たに通話をするということになりました。
ですがやっぱり怖い話が続くとノイズが現れ…時刻は21時になっていました。
その頃には私も話すネタが尽きて来て、もし次あったらどうしよう…なんて考えていたら私の個人ページにチャットが届きました。
チャットの相手は霊感があるという女の子のBからでした。
なんで個人チャットに?
そう思いページを開くと…
『さっきからノイズに紛れて声がするんだ…聞こえない?』
そう書かれていました。私は耳を澄ませてマイクから聞こえる声を聞きます。するとザザッというノイズの中にキャキャという甲高い子どもの声が混ざっていました。
グループ内で子どもがいる方は居なく、こんな夜に小さい子が遊ぶわけありません。
私はチャット欄に確かに聞こえると書きました。するとグループの方のチャットに書き込みがありました。
書いたのはBで、主催者やみんなはどうやら怖い話に夢中でチャット読んでないみたい。という書き込みでした。
『ノイズもひどくなって来てる。もしかしたら呼んだかもしれない』
Bはそう書き込みました。
『もし誰かの場所にいるなら早急にやめなきゃ…けど…』
みんなは怖い話で盛り上がっていますから辞めるなんて出来なさそうだし、話を信じてくれるような感じでもないのです。
ですがそう書いている間ものノイズは大きくなったり子どもの声が混ざったりして居ました。
考えた末に私達は先にチャットを辞めることにし、残りたい人は怖い話を続けるということになり、Bが明日朝早いから落ちるね。と言い私もついて通話を終了させました。
そして怖い話は終わり暫くは日常を過ごして居ました。
ですが半年ぐらいたったある日、百物語の主催者のアカウントが炎上してしまい、主催者はSNS内から姿を消しました。それから百物語に関わった人たちはみんな、アカウントが炎上したりアカウントを消したりし、私も謎の中傷を受けて百物語をした時に使っていたアカウントは破棄しました。
昔から百物語をしたらなにかが起こると言われていますので、私達に降りかかったのは百物語をした代償だったのではないかと思うことがあります。
今、あの時の7人が元気なのか知る術はありませんがむやみに百物語なんてしたらいけなかったのかもしれないと私は思いました。
だって本当に霊が紛れ混んでいる可能性があるから…
作者木漏れ日