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短編2
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独り言

重い体を引きずって富本さんが電車に乗った。

座席がひとつだけ空いている。

駆け寄って乱暴に座る。

目を閉じ少しでも休もうとする。

もう眠りたい。

なにか聞こえてくる。

隣から。薄めで右隣を見る。

女が座っている。特に特徴の無い女。

再び目を閉じる。最寄りまであと10駅以上。

今の部署は糞だ。日毎苛立ちと疲労が募る。

眠りたい。少しでも休みたい。

右隣から相変わらずなにか聞こえる。

独り言。聞きたくないが耳につく。

イヤホンも耳栓もない。

苛つく。疲れているんだ。静かにしてほしい。

目をきつく閉じる。別のことを考える。

前の部署の仕事。

全力を尽くしたが結果は出なかった。

上司や同僚は気にするなと言った。

だが責任をとらされたのは俺だけだった。

社内の掃き溜めのような部署に飛ばされた。

「いつか戻ってこれるさ。」

元上司は言った。いつかっていつだろう。

苛つく。なぜ俺だけが。苛つく。

隣からまだボソボソと声がする。

…こいつはさっきから何をぶつぶつと…。

違和感。声は相変わらず右隣から聞こえる。

右隣の女から男の声がする。

耳を済ます。

「のんびりやれ、ユキ。焦ってもしょうがねぇ。のんびりな」

親父?!

慌てて目を開け隣を見る。

特徴の無い女がうたた寝している。

もう声はしなかった。

…親父。

1年前に死んだ親父。仲違いしたままの死別だった。

…見ててくれたのか?親父。

空っぽの心に暖かいものが満ちていく。

…親父ごめん。あの時謝れなくてごめんな。…

再び目を閉じ心の中で謝罪する。

目を開けると涙が溢れてしまうから。

…ありがとう親父。頑張るよ俺…。

「どうせあと2年でおめぇ終わりだからぁ。」

目を開けて周りを見る。

先程と変わらない風景。

耳にこびりついた言葉。

あれから1年。富本さんにまだ異変はない。

Concrete
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津軽さん?
津軽為信さん?

いやーっ(*゚▽゚*)‼︎
お久しぶりです♬

待ってましたよぅ( ;∀;)
相変わらずキレのある話し‼︎

やっぱり津軽さんの話しが私は大好きだー♬

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