呪い?ああ、信じてませんよ。
良い年の大人が、ねえ?オカルトじみたことって私嫌いなんです。きっとたまたま、偶然が重なって良くないことが起きただけなんですよ。
私は、そう思っています。
-----街灯インタビューにて、二十代女性
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呪い?...ああ、そうですね。信じてます。
実はあの、さっきインタビュー受けてた人の同僚なんですけど、私。
あっ、このことは内緒にしてください。...あの人に、呪われるかもしれないので。
あの人悪い人じゃないんですけど、人付き合いが下手で、トラブルが多いんです。それでなぜか、あの人上手くいっていない人が不幸に見舞われるんです。
怪我をしたり、火事にあったり。身内に不幸があったり。
本人も薄々気づいてるんじゃないかな。そういうことがあるたびに、気にしているようでした。
そういうときに、職場にキツイ上司が異動してきて。気に入られなくて、いじめられたんです。
ひどいパワハラを受けてから、一月経った頃かな。
...その上司、仕事中にビルの窓から突然飛び降りたんですよ。
あの人もその場にいました。職員が窓に集まったりする中で、あの人こう言ってたんですよ。
「偶然だ」って。
それから、あの人は呪いなんて信じなくなりました。
私が出来るのは、あの人とそれなりの距離で付き合っていく位です。
...呪われないようにね。
-----街灯インタビューにて、20代女性
作者はーこ
無意識の恨みは怖いという話にしたくて書きました。
話し言葉は難しいですね。