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ナースステーションの隣の老婆

短編2
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ナースステーションの隣の老婆

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この話は、私の父の入院中に起きた奇妙な話です。

ある日父が夜、病室で眠っていると段々と体が浮く感覚が湧いてきました。パッと目を開けると自分の体がみえるのです。そう、この現象は幽体離脱。

私の父は、幽体離脱していました。ですがなんかへんなのです。それは父の体と、浮いている父の体とがへその緒みたいな物で繋がっているのです。

父は、少し謎に思いましたが(なんか楽しそうだから病室の中まわってみよ)っと、色々な場所へと行

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っていました。もちろん亡くなった人が運ばれる部屋の前なども。しばらくすると、ぼんやりと明かりの灯った無人のナースステーションの前に着きまし

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た。そこで父はある事に気づいたのです。ナースステーションのよこにおばあさんが立っていました。

じーっとこちらを見て。

shake

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しばらくすると、おばあさんは暗い廊下の奥の方へと歩きだしました。ついてこいとでも言うように。

でも父はついて行きませんでした。何故なら凄く嫌な予感がしたからです。

それから父は、病室へと戻り自分の体へと戻りました。

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~次の日~

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「○○さん!○○さん!」

看護師さんが、父を必死に揺さぶる。

「ん?ごめんごめん。爆睡してたわ」

「もー。やめてくださいよー。ビックリしたじゃないですか!」

「はは!あれ?なんか騒がしいな。」

「あー。1人亡くなったんです。朝はやくに。」

その時、父は幽体離脱した時のナースステーションの所にいたおばあさんを思い出した。

「あの、だいぶ歳とったばあさんやろ?」

「えっ!?なんで知ってんの○○さん!」

「あっ、合ってた?なんか色々あってな。」

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そう、この日亡くなったのは、ナースステーションの横に立っていた老婆でした。

あの時、老婆がついて来てほしそうに歩いて行ったのは寂しかったからなのでしょうか?

もし、あの時、父が老婆について行っていれば、父も死んでいたでしょう。

怖いのか、悲しいのか、何とも言えない私の父の体験でした。

今後、このような事があれば、決してついて行かないように...

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