今日、彼女と初詣へ行ってきたのだが、白昼堂々変なものを見た。
参拝客でごった返す神社の中、普通ならあり得ない話だが、ふと人々の喧騒が完全に途切れた瞬間があった。その時、足元から「あー、忙しい、忙しい。あー、忙しい、忙しい。」という声と共に現れた膝下までの小さな人たちが、ぎゅうぎゅうの隙間を縫うようにして走り抜けていった。
それはほんの一瞬の出来事で、次の瞬間にはもう元の風景に戻っていたけれど、何体もいたそれらはみな白い袴姿で、彼らの進行方向からみて、おそらく狐の石像に向かって走り去っていったのだと思う。
周囲の人々はもちろん彼女も全く気づいていないようだったけれど、俺には怖いという感覚は少しもなくて、むしろ正体不明ではあるが正月から自分だけ良いものを見たなーという不思議な気持ちでいる。
了
作者ロビンⓂ︎
初夢は、ぽろりと右手首がとれた夢でした…ひ…