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短編2
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声をあげて起きた夢の話

1週間前見た不気味な夢の話

夢の中で僕は今住んでいる家とは違う家で生活を送っていた。コンクリート打ちっぱなしで折れ階段を中心としてその左右に部屋がついているタイプのアパートだった。

その世界では暮らせど暮らせど夜が明けることがなく、月明かりは変に明るかった。

その世界で僕は1つ下の階の部屋に住む男の子と女の子をよく世話していた。そのこらの母親はいかにもだらしないイメージで、この人とはあまり会話を交わすことはなく敬遠していた。

ある日アパートに帰り階段を上っていると階段の途中にその子供たちが座り込んでいた。月の光が後光のように差し、表情は伺えない。なぜか普段は感じない恐怖をその子達に覚え、二人の間を無言で過ぎ、自分の部屋にたどり着くとドアが少しだけ開いているのに気が付いた。刹那に何故空いているのかに考えを巡らした結果すぐさまあの母親が空き巣をはたらいたに違いないという結論に至った。根拠もないのに確信があった。

その瞬間後ろに気配を感じて振り向くと、階段に座っていたはずの男の子が立っていた。ぎょっとしてどうしたのか訪ねると、

「だってしょうがないよ。しょうがないよ。」

男の子は言った。

次の瞬間激しい憤りに教われてはっと目が覚めると声を挙げていた。深夜の暗い部屋で声を挙げていたことにまた恐怖し、毛布を手繰り寄せ顔をうずめると隣で寝ていた彼女が目を覚ましており、胸をさすりなだめてくれた。

声をあげてたよ。大丈夫?と心配する彼女に一部始終話すと男の子が急に後ろに現れたところで、えも言えぬ寒気を感じたらしい。

落ちも後日談もないが、今の彼女と付き合い始めてからよくお互いに悪夢をみる。

Concrete
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