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ある日の出来事【Uレイらいふ】

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ある日の出来事【Uレイらいふ】

 わたしが、ちょっぴり口は悪いけど心優しいルームメイトとルームシェアを始めてから一ヶ月目のことでした。

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 わたしの朝は、家主の朝食作りから始まります。

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 いつものように、壁にかかったままのエプロンを通り抜け、着けたテイになってから小鍋にお湯を沸かします。

 やっぱり朝はお味噌汁ですよね♪

 わたしとしては白いごはんにお味噌汁を合わせたいのですが、家主のU子さんは頑なにパンを食べたがるので困ってしまいます。

 でも、そういう好みに合わせるのも、ルームメイトの大事な務めです。

 お湯が沸いてきたら、だしの素とえのきを割いて投入します。

 こないだお豆腐のお味噌汁を作った時に、切らずに入れたら怒られたので、それからは包丁を使わなくていいものにしているんです。

 包丁は指を切ったりしたら危ないですものね。

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 いい感じに煮えてきたら火を止めて、お味噌を溶いて一旦置いておきます。

 その間に食パンをトースターに入れてスイッチオン!

 そのままキツネ色になるまで、じっと目を放さずに観察します。

 お焦げはガンになるってお祖母ちゃんが言っていた気がしますから。

 大黒柱のU子さんの健康を気づかうのも、ルームメイトとしては当たり前のことです。

 パンが焼き上がったらバターを塗り、食べやすいように半分に引きちぎってから、お皿に盛りつけます。

 そして、お味噌汁のお鍋を火にかけて少しお酒を入れ、一煮立ちさせたらお味噌汁も完成です。

 日本酒を少し入れると、味がまろやかになるのでおすすめですよ!

 レイコ特製のトースト御膳は、今日も美味しそうです♪

 あとはU子さんを起こすだけですが、それには少しコツがいります。

 U子さんは寝起きがとっても悪いんです。

 わたしはトーストに塗ったバターをほんの少しU子さんの鼻の下に塗ります。

 こうすると、お腹をすかせたU子さんがゆっくり起きてくるんです。

 これはまだバレてないので、絶対にナイショですよ?

 U子さんが朝ごはんを食べ終わり、身支度を整えたU子さんを玄関までお見送りしたら、朝ごはんの後片付けをします。

 これがわたしの朝のルーティーンです。

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 そんな忙しなくも平和なある日、わたしがお部屋の掃除を終えてインターネッツに勤しんでいると、玄関からガリガリと音がしました。

 U子さんが帰ってくるのはいつも夜遅くですから、ネズミでもいるのかな?と思って玄関を見ていると、ドアがガチャリと開く音がします。

 わたしは怖いながらも、そっと玄関の方を覗いてみました。

 すると、黒い服を着た初めましての男の人が入って来ています。

 U子さんのお兄さんかな?と一瞬思いましたが、すぐに閃きました。

 泥棒さんだ!

 わたしはすぐに押し入れに隠れ、様子を窺います。

 泥棒さんには怖い人が多いので、静かにやり過ごすのが一番です。

 やっぱり物より命ですからね。

 泥棒さんは部屋の中をゴソゴソと探しているようでした。

 幸い、貴重品はわたしが押し入れで預かっているので、お金になりそうな物は泥棒さんが探している所にはありません。

 何とかそこにある綿棒で帰ってはもらえないかと祈るような気持ちでいると、ついに泥棒さんがわたしのいる押し入れに気づいてしまいました。

 ゆっくりと足音を忍ばせながら、押し入れに近づいて来ます。

 わたしはとにかく恐ろしくて、押し入れのふすまが開かないように縁を抑えて震えていました。

 けれど、非力な女のわたしでは、屈強な男性の力に敵うはずもなく、ふすまは簡単に開いてしまいます。

 そこで泥棒さんと目が合ってしまい、恐怖が極まったわたしは高らかに悲鳴を上げてしまいました。

 「キャアアァァァァッ!!」

 「うわぁぁああああ!!」

 わたしの悲鳴に驚いたのか、泥棒さんもわたしに負けず劣らずの悲鳴を上げて部屋を飛び出して行きました。

 助かった……。

 わたしは安堵のため息を吐いて力が抜けた途端、今さっきの怖さが蘇り、涙を流していました。

 下手をしたら、わたしは乱暴されていたかも知れませんもの。

 それからU子さんが帰ってくるまで、わたしはずっと押し入れで震えていました。

 その日のU子さんが帰ってくるまでの時間は、いつもよりとても長く感じました。

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 U子さんが帰ってくると、わたしは押し入れを飛び出し、U子さんに抱きついてワンワン泣きました。

 「冷たいから離れろ」

 泣きじゃくるわたしを落ち着けるように、あえて冷たくするU子さんの優しさに、わたしも安心して今日の出来事を話しました。

 「結局、何にも取られなかったんだろ?」

 「はい、大事なものは死守しました」

 「じゃあ、いいや」

 U子さんは、わたしが無事だったからと泥棒さんのことを警察に通報しませんでした。

 泥棒さんにまで情けをかけるなんて、やっぱりU子さんは優しい人です。

 わたしはますますU子さんが好きになりました。

 行く宛のない幽霊のわたしをこんなに大切にしてくれるU子さんに、わたしは一生ついていこうと心に決めた一日なのでした。

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@ろっこめ 様
うわぁ!!!感激です!!!
詳しくありがとうございます♪( ≧∀≦)ノ
レイ子のファンクラブの会員誌を読んでる気分でした♪(笑)

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ツッコミどころおおいけど、もうインターネッツ❕❕て言い切ってる時点で最強やんw🤣

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