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鉄道に関わる怖い・不思議な話(番外編:312号室)

中編3
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鉄道に関わる怖い・不思議な話(番外編:312号室)

鉄道に関わる怖い・不思議な話を投稿している黒糖のど飴です。普段は電車の車掌をしています。

今回も直接鉄道に関係が無いので番外編その②です。

乗務員の仕事は会社によって異なるかもしれませんが、泊まり勤務がほとんどです。

泊まり勤務と言っても深夜ずっと起きている訳ではなく、列車が走っていない1時~5時くらいの間は休憩しています。

休憩の際には2段ベッドだけが置いてある3畳程度の「乗務員宿泊室」と呼ばれる部屋が与えられ仮眠を取ることが出来ます。

その日も私は1日の乗務を終えて、乗務員宿泊室のカギをもらう為当直のデスクに向かいました。

私はこれまでの乗務に異常が無かったことと翌朝何時で起床するのかを伝え乗務員休憩室のカギをもらいました。

カギには部屋の番号が書いてあるタグがついてあり「312」と書いてありました。

312号室。3階の12番目の部屋のことなのですが、この312号室は乗務員の間で幽霊が出ると有名な部屋なのです。

2段ベッドの上の階から誰かが覗いてるとか…

女の人の呻き声が聞こえるとか…

目覚まし時計がセットしてしない時間に鳴るとか…

怖い体験をした人がいるようですが、霊感0かつ鈍感な私にとっては他の部屋と変わらないように感じていました。

普段312号室は予備部屋として使われることが無いのですが、新人乗務員育成に伴う部屋のローテーションの都合で私に312号室が充てがわれたようです。

私はカギを手に握りながら「たしか312号室って出る部屋だよな~」などと考えながら乗務員宿泊室がある建物に向かいました。

建物に入り階段を上がり312号室の前に立ちました。

乗務員カバンと宿泊セットの入っている私用のカバンを床に置いて鍵穴にカギを差し込みました。

カギを回すと部屋のロックが解除される手ごたえと「カシャン」という音が鳴りました。

ドアノブを回し少しだけドアを開け、鍵が開いていることを確認しました。

開けたドアのわずかな隙間からは廊下の蛍光灯の光が差し込んだ室内と白いシーツが一瞬だけ見えるとドアが閉まりました。

カギを抜きポケットにしまうと乗務員カバンと私用のカバンを持ち、再びドアノブを回し肩でドアを押すようにして部屋に入ろうとしました。

その時です…

「カシャン」

部屋のカギが閉まった音がしました。

「あれっ?」と思いドアを押してみますが、やはりカギは閉まっています。

乗務員宿泊室のカギはオートロックではありません。部屋の内側からドアノブのつまみを回すだけの簡単な構造です。

つまり誰かが部屋の内側からカギを閉めたことになります。

他の乗務員と部屋がダブルブッキングしてしまったのかと思い、ドアをノックしようとしたのですが何となく不気味に感じたのでやめました。

結局その日は、乗務の合間に使う休憩室のソファーの上で寝ました。

翌朝、当直にカギを返す際に確認したのですが、昨晩312号室を利用したのは自分だけでした。

あの時、ドアをノックしていたら…再びカギを開けて部屋に入っていたら…と思うとゾッとします。

何かの拍子で偶然カギが閉まっただけかも知れませんが、とても怖い思いをしたので投稿します。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

次回がいつになるか分かりませんが、鉄道にまつわる話をしたいと思います。

Concrete
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リアルに怖いですな( 'ω' ;)

返信

こんにちは、車猫次郎です。
実体験というのは、どんな話よりも、リアルですし、怖さも一段と深いですね。
派手さは無いけど、地味にゾクリときます。
また、楽しみにしてます。

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