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短編2
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ビル

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45階建てのビルがいた。

その名はKWIビルだ。

そこには沢山の会社があった。

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しかしそれには不思議なことがよく起こるらしい。

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ある日、夜中「お疲れ様」との声が聞こえた。

その時廊下を歩いていたAはびっくりした。

入社した時、誰もいないのに声がするときは、絶対に声を出すなと言われたので黙った。

それに疲れていたので、幻聴だとも思った。

更に彼が幻聴だと思わせたのは昼間にも聞こえることである。

それに慣れた時、完全に幻聴だと思い込んだ。

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またある日、Aが駅で待っていると、電車が来たアナウンスが流れた。

その声は以前の声に似ていた。

これも幻聴だと思わせたうちの一つだったのだ。

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知らない人の声はすべて以前の声に似ている。

幸い夢には出なかった。

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でも俺は薬物に手を染めていない。

Aはそう思ったし、みんなもそう言っている。

でもなぜだろう…

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なんだか可笑しい。

病院に行って診察をしてもらった。

すると、精神安定剤を服用し、1ヵ月は休職するよう言われた。

助かった。これで安定するのなら。

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不安に思った俺はお祓いまでしに行った。

終わった時、神主さんに聞いたところ、「ちゃんと祓いましたよ」と。

やっぱり取りつかれていたのだ。

しかしこれだけでは終わらない。

神主さんは続けて「どこで働いてます?」

「KWIビルです」

「じゃあ周期的に来てください。その建物自体取りつかれてるかもしれません」

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それを知って以来、俺の社員は次々と不可解な、よりにもよって会社内で死んでいく人が続出した。

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