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短編1
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実話: 八百屋の階段

これは私が中学生だった頃、通っていた数学教室の先生が体験したこととして話てくれたことです。

先生は、母も所属している地域の人形劇のサークルに所属しており、その仲間3人ほどで青森旅行に行った時の話だそうです。

先生達3人の到着は少し遅い時間となったようで、ホテルに荷物を置いて、近くの商店街に行った時はほとんどのお店が閉まっていたそうです。

そんな中、1つだけシャッターの降りていない八百屋さんを見つけた3人は、果物か何かを買おうと、お店に入ろうと思いましたが、店の人らしき人もおらず、電気も付いていません。

おかしいなと思いながら、店のなかを覗いていると、店の中央に二階から降りる大きな階段が1つ、その階段に二本の足が、ちょうど足だけが二階から八百屋に降りる形で見えていることに気づきました。

誰かいると思った3人は、その足しか見えない店の主に「すみませーん」と何度か声をかけてみたそうてますが、その足はきれいにそろえられたまま全く動かない。3人は怖くなって走って逃げたそうです。

次の朝、昨日の不気味な出来事を払拭したいと勇気を出して3人でその八百屋に行ってみると、なんと昨日店の中央にあった階段がどこにもなかったそうです。店の人に話しても、昔からそんな階段は無いとのこと。あの階段はどこに続いていたのか、なにが降りてきていたのか、最後まで気持ち悪かった思い出とのことでした。

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