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短編1
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実話: 化粧鏡の狐

私が大学生だった時、友人の彼女で後輩にあたるさきちゃんが体験した話です。

まだ、さきちゃんがお母さんやお父さんと一緒に寝ていた頃、家族の寝室には大きな化粧鏡が置いてあったそうです。

お父さんとお母さんに挟まれ、川の字のようになって寝ていた時、さきちゃんは何故か目を覚ましてしまい、正座になるような形で、布団の上に起き上がったそうです。お父さんもお母さんも寝ています。どうしょうか、と思いちらっと化粧鏡の方を見ると、鏡には、自分と全く同じ姿勢で、布団の上に座る白い狐の姿があったそうです。

それ以来さきちゃんはトラウマと言うか、あまり狐が好きじゃないと言っていましたが、この話を聞いた時、さきちゃんの少しつり上がった目、少し狐っぽいその顔を見ながら、まだ憑いてるんじゃないのかと思ったことを思い出します。

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