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実はそのアパートに私が入る前、大屋さんの息子さん
(推定年齢35くらい)
が2ヶ月ほど入ってました。
目の前が実家だし、アパートに入る前は実家に住んでいたので、母親(大屋さんの奥さん)とアパート周辺の草むしりをされているのをよく見かけました。
その息子さん、いつも目が泳いでいる感じで、ちょっと挙動不審と言うか
大変失礼な表現になってしまいますが
障害を持ってる方?
的な人でした。
私がアパートに入って1ヶ月経った頃だったと思います。
外で車の洗車をしていると
息子さんが草むしりをしていたので、こんにちはと挨拶をしました。
ペコッと頭を下げた後、立ち上がり何かボソボソ言っていたので、えっ?
っと聞き返すと
ココ何かいるだろ?
カッパ...ボソボソ...
的な事を言っていたのですが良く聞き取れず
え?何です?
と聞き返しましたが!無言で草むしりに戻ってしまいました。
その時はそのカッパと言うのと自分の見たものが繋がらず、何だかなぁくらいにしか思いませんでしたが
それから更に3ヶ月くらい経った頃だったかと思いますが、車を買い換えるため、車庫証明が必要になり大屋さんとの仲介になっている不動産屋に行きました。
不動産屋の社長は大屋さんとは親戚関係らしくて
うちの父の元同僚で飲み友だちでもあったので、私が小さい頃から知っていて会う度に気安い感じで世間話などしてきます。
その日も
親父元気か?とか車は何に買い変えるんだ?
など出されたコーヒーを頂きながら和やかに話していました。
ふと大屋さんの話しになった時に、息子さんの話しになりました。
お前が入る前
おのアパートに入ってたんだけどよ~
夜中に雨ガッパみてぇの来てるヤツが部屋の中を歩いてて寝れねえとか何とか言い出しやがって
頭おかしいんじゃねーか?
良い歳して無職でどうしょうもねえヤツだ!
的な話をされました。
幽霊なんかいやしねぇし、
幽霊にしたってカッパ着た幽霊なんてずいぶん間抜けだよなぁ?
と笑っていましたが、その時に自分が見たカッパを着た幽霊の事を思い出してゾッとしました。
その場は私も笑ってやり過ごしましたが内心ぜんぜん笑えない出来事でした(-_-;)
作者かかざん