今から30年前くらいの私がまだ中学3年の頃だったと思います。
その頃の私の部屋は、家の庭内にあるプレハブ小屋でした。
プレハブのドアを開けるとすぐに車が通れる道路で
左に行くと街頭がポツンとある湾曲した道で、進むとコンビニのある通りに出ます。
右に行くと30mくらい先がT字路になっていて
突き当たりには2m程の大きな民家のブロック塀が並んでいました。
ある日、友達が泊まりに来て、部屋で話したりゲームしたりしていたのですが、夜中にお腹が減ったのでコンビニに飲み物とカップ麺でも買いに行こうと二人とも自転車で一緒にコンビニに買い物に行きました。
普通に買い物を終えて湾曲した道を自転車で部屋に戻るため走っていました。
もうプレハブ小屋も見えてきて、部屋はすぐそこです。
すぐ前を友達の自転車が走っていて
私はすぐ後ろを走っていましたが、部屋のすぐ手前で止まるためにブレーキをかけていた時に、突然友達が
なんだあれ!?
と叫ぶと同時に止まる寸前の自転車を横に投げ出し自転車を降り部屋のドアに向かって走り出しました。
ビックリして前を見ると
突き当たりのT字路の側道に見える2m程の
ブロック塀より倍以上高くまで細く伸びた
手足をユラユラ揺らしながら進むような、全体的に灰色っぽい人のようなものが左から右に横切って行きます。
生理的な違和感というか異質感で
私も全身鳥肌が立ちまくり、訳も分からず怖くなり
自転車を投げ出すように降りて、部屋のドアを開けて二人でなだれ込むよう部屋に入りました。
その間、ほんの数秒の出来事です。
二人で息の荒いまま、話してみると
私は自転車か何かに乗っていたのかと思っていましたが、友達は下半身は足もユラユラしながら回っていたと言います。
色々考えましたが、例えば人が自転車に乗って立ち漕ぎでもしてたとしても、2mもあるブロック塀の手前なのにブロック塀の倍以上、上まで伸びて見えるものなのか?
いくらガリガリなやつでもあんなに細く見えるのか?
クネクネと言うかよく思い出してみると身体全体がヒラヒラとしていた感じだが、人にあんな動きが可能なのか?
結局何だか分かりません。
当時まだクネクネなど一般的に聞いた事もない頃の実話です。
作者かかざん