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短編2
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真夜中の花嫁

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20年くらい前の夏だったと思います。

当時、霊感の非常に強い年下の女の子と付き合っていて、その日も家の庭内にある私のプレハブ小屋に泊まりで遊びに来ていて深夜に二人で寝ていました。

深夜2時過ぎだったと思います

エアコンのタイマーが切れていて蒸し暑さで目が覚めてしまい、横を見ると彼女も起きていました。

二人で暑いねぇ~などと会話して、彼女がアイス食べたいなぁ~

などと言うので、部屋のエアコンをつけて

近くのコンビニまで歩いてアイスを買いに出ました。

外は寝ている間に夕立でもきたのか

路面がかなり濡れていて、何だかヒンヤリして気持ちいいので、散歩がてら少し遠回りをして帰ろうと

二人でアイスを食べながら歩いていると

もう家からほど近いお社がある神社の前に差し掛かりました。

この神社は30m真四角くらいの敷地の真ん中ほどにお社があって、周りを背の高い木がコの字に囲んでいるのであまり光も入らず、神社の外から夜見ると神社内はほぼ暗闇に近いです。

何気なく神社内に目を向けると、点滅する信号の光と離れた所にある街灯の光でお社がボンヤリ見えます。

前に目を移そうとした時、お社から右に5mほどでしょうか、何か白っぽい物がボーッと見えるので足を止めてよく見てみると

白無垢を着た頭に角隠し?のような物を被った神前式での花嫁さんのようなものが青白く発光しているような感じで立っていました。

彼女も足を止めていたので彼女を見ると

彼女の視線も間違いなくそれを黙って見ています。

なんとなく二人ともその場を動けず黙って見ていると白無垢の裾が風も無いのにヒラヒラ揺れているのも分かりました。

何分間見ていたのか分かりませんが、何故かしばらく動けず見ていると、彼女が

もう行こうよ!

とりあえずここから離れよう!

と言うので目線を前に写して黙って歩き出しました。

部屋に戻って、私の目には何が見えていたのかは特に言わず

何あれ?やっぱ人じゃないよね?

と聞いてみると

人であるわけない。

人ならあそこに立っててもあんなにハッキリ見えるはずない!

大昔とかは神社で神前式とかする事もあったんじゃないかなぁ?

でもあの人は多分、神前式出来ていないってか花嫁になれなかった人だね!

的な事を言っていました。

どうしても気になり、次の日の昼に神社に行って

その花嫁さんの立っていた位置辺りを確認すると古そうな何かの石碑が立っていましたが、掘られている文字もおぼろげで文字も何と書いてあるかは分かりませんでした。

今はすぐそばにコンビニやドラッグストアーが出来て周囲も明るくなりましたが、いまだにコンビニまで歩いて行く時は神社の前を通るので、つい見てしまいますが、花嫁さんを見たのはそれっきりです。

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