『ニニギの嫁取り』
~わがままプリンスの大罪~
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出雲の国を任されたのに、何故か九州の真ん中あたりに居を構えるウッカリ皇子のニニギは、
一人ぼっちが淋しかったのか、はたまた男の部分がアレしたのかはわかりませんが、嫁を迎えようと考えます。
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そこで知り合ったのが、コノハナサクヤヒメです。
この女神サクヤヒメは絶世の美女で、繁栄の神でした。
また、桜の語源とも言われており、今では日本一の山にも祀られています。
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そんな推定日本一の美女サクヤヒメに、ニニギはすぐに猛アプローチします。
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「オレのバァちゃんアマテラスなんだけど、結婚しない?」
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生まれながらのボンボンであるニニギは、由緒正しい血統を全面に押し出し、見事にサクヤヒメを落としました。
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サクヤヒメがパパにニニギを紹介すると、サクヤパパも大喜びです。
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そりゃそうです。
最高神アマテラスと親戚になれるんですから。
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テンションぶち上がりの父は、サクヤヒメの他に、姉のイワナガヒメまでオプションにつける始末です。
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姉妹セットで嫁に来た二柱がニニギの元へ行くと、こともあろうに、ニニギは姉のイワナガヒメを返品しやがりました。
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イワナガヒメも、まさかの仕打ちに大ショックです。
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イワナガヒメは性格はいいんですが、サクヤヒメと違って、見た目がちょっとアレだったんです。
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あえて例えるなら、有村架純さん姉妹をイメージしていただくと、
語弊がありますので絶対にやめてください。
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突き返されたイワナガヒメを見て、さすがのパパもキムタクばりの「ちょ、待てよ!」です。
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パパ「ちょ、ニニギさん!ヒドない?!」
ニニギ「何が?」
パパ「せっかく嫁に出した娘を返しはるなんて」
ニニギ「娘なら、もうもろとるがな」
パパ「二柱ワンセットで嫁に出しましたやん!」
ニニギ「だって、姉ちゃんブスやねんもん」
パパ「いやいやいや!うちのイワちゃんはそう言うんちゃいますねやんか!イワちゃん、めちゃめちゃ凹んでまっせ」
ニニギ「やかましい!要らんもんは要らん!!あんま、しつこいとバァちゃんに言うぞ!?」
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ニニギのこの対応が非常によくありませんでした。
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実は、イワナガヒメは『岩のように長く生きる』という長寿を司る神だったのです。
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つまり、パパの意図は『ニニギの一族が末永く、栄華を誇るように』と、二柱の娘を嫁に出したんです。
それなのに、ニニギときたら女をルックスだけで判断し、長寿を棄ててしまいました。
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女の敵です。
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これが原因で、ニニギ以下の子孫には『寿命』と言うタイムリミットがついてしまうことになったのだそうです。
続く?
作者ろっこめ
今回は天孫降臨後、割りとすぐのエピソードになります。
こうして見ると、ニニギってあんまり大したことしてないなぁ……と、改めて思いました。
とは言え、古事記の中では飛ばされている代の神も多いので、エピソードがあるだけマシなのかも知れません。
次は、知る人ぞ知る昔話が出てきます。