先日猫の女の子の話をしました。
今回はその続き。
あれから、6年の月日が流れた俺が中学1年生の時。
その子とは同じクラスになった。
ちょうど学校祭の準備期間で大忙し。俺も動画の編集やら掃除やらその子の相手やらで疲れはててた。
もちろん寝る時間もそんなにない。でも、苦ではなかったその子がそばにいてくれたから。
そんなある日、その子が置いてあったバケツをひっくり返してしまった。もちろんみんな怒った。
「せっかくここまで色を塗ったのに台無しじゃねぇか!!」
「ふざけんなこの化け猫」
いろんな悪口がその子に飛んだ。その子は泣きながら爪をみんなに降り下ろそうとした。
けど、俺はその子を止めて人気の少ない廊下に行った。
「大丈夫だって。わざとじゃないんだろ?
修復なら俺も手伝うから泣くな。お前が泣いてるところなんて見たくねぇから。」とちょっと恥ずかしげに言った。
「ありがと。ご主人」
そして、俺はどっちかと言うと絵も得意だからあっという間に修復が終わった。
「お前らこれでチャラな。わざとじゃねぇんだからそこまで怒るな。先生だって怒ってねぇだろ。」
と言ったら、納得してくれたようでみんなその子に謝ってた。
家に帰って俺は、その子におつかいを頼まれてその指定されたものを買いに行った。
帰ってきたらその子の両手の上に俺の大事な戦艦のプラモデルが無惨な姿になっていた。
「ご主人ごめんなさい。お掃除してたら落っことしちゃった。」
俺はなんて馬鹿なのだろう。そのとき疲れのせいかは分からないが怒鳴ってしまった。
「勝手に掃除なんてするな!お前の事なんか知らねぇ!」
と言った。
「謝ってるのに酷いよ!!バカご主人!」
グシャッ
その子の爪が俺の首辺りを切り裂いた。
幸いその子も加減をしたらしくて死にはしなかった。
その子は泣きながら出ていった。どうせ帰ってくるだろうと思っていた。
しかし11時になっても帰ってこない。
俺は自分を責めた。ずっとそばにいる大事にすると言ったのになんであんなもので怒ったんだ。
俺は首から血が出てるにも関わらず家を飛び出してその子を探した。近くの橋の下でうずくまってるその子を見つけた。外は雨。冷えきっていた。急いでその子を抱えて家に帰り。ベットに運んだ。
「ごめん。ごめんな。」何度も謝った。
「ご主人は悪くないよ。」と笑った。
俺は涙が止まらなかった。なんでだろう。
涙をぬぐいその子がなでなでしながら
「お風呂入りたい。」と言った。
その子とお風呂に向かう途中青ざめた。
血しぶきがあちらこちらに飛んでいるのだ。
自分の服を見てみると血だらけ。そういえば俺引っ掻かれたな。
その子は「ご主人の血って舐めてみたら意外に美味しかった。」
衝撃なひと言。血液型も違うのに平気なのか?
血を拭こうとしたらその子が勿体無いから私が……
と言って舐めていた。
「吸血鬼かこいつは」、と思った。
舌舐めずりしながら血のついた口を見せながら
その子が振り向いて笑顔で。
「ご主人の血は誰にもワタサナイカラネ」
作者ユート
感動と見せかけて最後に「!!」っとね。
実際に言われ起こった出来事です。今でも覚えてる。
いや、忘れるわけがない。
読んでくれたら嬉しいです。コメント待ってます。