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中編3
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不明

この話はもしかしたら知っている方がいるかもしれません。

というのも、先日、稲川淳二さんの怪談を聞きながら寝落ちをした事がありました。

その時、ウトウトしながらも鮮明に覚えている話。

覚えている限りで稲川淳二さんの話し方のように書いていきます。

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これは、知人の仮にMさんとでもしておきましょうか。そのMさんから聞いた話なんですけどね。

Mさんには最愛の妻がいた。

この奥さんというのが、まあ随分気の弱い方だったみたいでね、口数も少なく、友人もいない。

Mさんと両親くらいしか真面に話せる人がいなかったらしいんですよ。

それと共に、身体が弱く、心臓に病を患っていたようで、よく病院に付き添っていたようなんです。

Mさん、奥さん、そして、奥さんのお父さんの義父の3人暮らしで、まあ小さい古びたアパートに生活していた訳だ。

でー、その義父はね、もう寝たきりで思うように声も出せず、要するに生活の介助が必要だった訳だ。

奥さんが懸命に介護をしていたらしいんです。

それからー、何年か立ち、奥さんは心筋梗塞で亡くなってしまった。でその時の遺言が「お父さんをお願い…。」だった。

それからはMさんも大変でね、奥さんが大半をやっていた訳だから、慣れない手つきで食事、排泄、入浴の介助を行い、ヘルパーさんも頼んでいたが、仕事をしながらのその生活は大変だったんでしょうね。

昼はいいんですよ。ヘルパーさんがいますからね。

問題は夜だ。仕事でグターと疲れて帰ってきた後の介護は相当応えたのでしょうね。

そんな生活が続き、Mさんも参っちゃって、「あー早く死んでくれないかなー。」と呟きながら介助をするようになっていた。

そんな中、ある夜、フッと目が覚めた。

「ん〜なんだ?今何時だ?」 

深夜の静寂の中、奥の部屋から義父の苦しそうな唸り声が聞こえる。

何だよー明日も早いのに…。

と思いながら起き上がろうとした瞬間

え?

暗くてよく見えないんですがね、自分の隣で誰かが寝ているんだ。ただ、すぐ分かった。

それ、亡くなった奥さんなんですよ。

夢かと思ったが意識ははっきりしている。夢じゃない。

やや震えた声で

「お、おい…。お前… なんで…。」

手を握ると、まるで氷の様に冷たい。

その指先から伝わる冷気で鳥肌が立つ感覚まで感じられた。

その瞬間

「あなた.... お父さん.....お願い.......」

生前のか細い奥さんの声でそう聞こえたような気がした。

はっ と我に帰ると、奥さんは消えていたって言うんですね。

その日以来、妻を子供の時から男一人で育ててくれて、家計が苦しい時は工面をしてくれたりした義父の存在の大事さを改めて痛感し、出来るかぎりの介護をしたんですね。

間も無くしてー

義父は亡くなったのですが、もう真面に話せないと思っていた義父がこう言った。

「M君… 苦しかっただろ…? 私よりも遥かに苦しかったな…。すまなかったね…。娘、私と最期まで一緒に居てくれてありがとう……。」

それを聞いたMさんは、後悔で泣き崩れたって言ってましたよ…。

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という話をウトウトしながらも聞いて、朝起きた時にも鮮明に覚えていました。

しかし、動画の履歴にもこの様な話は残ってなく、自分が夢の中で作った話なのか?未だに謎です。

稲川淳二さんの怪談の中でこの様な話を聞いた事がある方は是非教えて下さい。

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