一週間前、親友が自殺した。
正直、未だ受け入れることができない。
メッセージアプリを開く。
そこには、頻繁にやり取りしていたメッセージがあるが、一週間前のを最後にプツリと切れている。
「よぉ、そっちは楽しいか?」
電車の待ち時間、虚しいと分かりつつ、メッセージを送ってみた。
ブルブル
暫くすると短くスマホが震えた、返信?
誰からだろうう?とスマホを見ると、先程の画面に最新のメッセージが追加されていた。
「ああ、楽しいよ。友達もたくさんできた。」
ブルブル
「お前にも紹介してやるよ」
ブルブル
「○○が、招待されました」
ブルブル
「○○が、招待されました」
ブルブル
「○○が、招待されました」
ブルブル
「○○が、招待されました」
ブルブル
「○○が、招待されました」
親友はとめどなくユーザーを招待してくる。
先程までDMモードだった画面が、他ユーザーが招待されたことにより、グループチャットモードに移行した。
画面に見いっていると、背中から強く突き飛ばされたような感覚がした。
世界がスローモーションになる。
どうやら自分は、きりもみ回転しながら線路に落ちているらしい。
いつの間にか、電車もホームに侵入して来ている。
線路が見えた。
そこには無数の人影が、引きずり込むように手をこちらに伸ばしている。
そこに並ぶ顔はどこか見たことあるような気がしたが、グループチャットに招待されたユーザのアイコンの写真であることに気づいた。
そしてその中には、親友の顔も見つけた。
なるほど、アイツも自殺したんじゃなくてこうして引きずり込まれたんだな。
作者園長
久しぶりの投稿
歩きスマホ絶対ダメ