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短編1
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風呂に関する短い話 四

佳苗さんは一昨年、空き巣の被害にあった。

正確には、不法侵入かもしれない。金品や物損の被害はなかったのである。

それどころか、戸口や窓に鍵はかかっていたし、指紋や足跡、体毛の一本さえ犯人の形跡は見つかっていない。

では、何をもっての不法侵入か?

佳苗さんが帰宅した際、風呂のシャワーが流れている音に気付いた。

《出しっぱなしにしてしまった》

そう思い慌てて灯りを点けると、のんびりと浴槽に浸かっている者が居た。

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マネキン。

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服屋で見かけるような全身タイプのもので、西洋の女性の顔立ちに似せてある。着衣も、頭髪のかつらもない。

それが涼しい顔をしながら佳苗さんを見上げ、腕をバスタブの外に出した格好で座っていた。

シャワーを頭から浴び、滴り落ちた湯はすでにバスタブを満タンに溢れさせている。

ただちに警察を呼んだが、金品の被害がない、侵入の形跡もないということで捜査のしようがなく、鍵の交換か引越しを提案されたのみであった。

施錠をしていることを鑑みるに、犯人は合鍵を持っている可能性もあるが、そのような人物にも心当たりがない。

犯人の素性も目的も判らぬまま転居してしまった今も、風呂の灯りを点けるときに思い出すそうだ。

Concrete
コメント怖い
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思い出すと地味に怖いやつですね。
もうお風呂に行きたくありませんww

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いろんな意味で怖い話です。
何が起こっていたのでしょうか?

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