中編3
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誤解

今俺は病院にいる。

明日には退院できるが、本当に苦労したものだ。

事の始まりは朝の事……

「ねぇ…ご主人起きてよ……」

上に乗っかられ呼んでいる声がして目が覚めた。

「どうした?みにゃ。」

「これラブレターだよね……浮気……シテル。」

しばらく理解ができず固まっていた。

ようやく脳が追いついてきた時には遅かった。

彼女の鋭い爪が俺の胸を突き刺した。

「うぐぁぁあぁあ!」

血しぶきがベットを赤く染める。

「アハハ、浮気した罰だよ。こんなもんじゃ済まないよ?私の気持ちに比べたら全然だよねぇ?」

グチャッ!グチャッ!

なんどもなんども降り下ろす。

意識が朦朧としてきた。

なんとか最後の力を振り絞り伝えたことは

「み、にゃ、そ、は」

「んん?ナァニご主人サマァ?」

「しょ、た、じょう」

そこで俺は気を失った。

目が覚めたら病院にいた。

隣にはみにゃが、泣きながら謝っていた。

「ごめんなざぁあい!ご主人捨てないで!

捨てないでぇぇえ!」

ベットを今度は涙で濡らしてる

「はは、俺が黙ってたのが悪い。でも、心臓辺りを何度も刺すのはやめようか。

みにゃの爪は鋭いんだから。」

そこで、病院の先生が入ってきた。

「ユートさん。でしたね。もう少しで手遅れになるところでした。」

「あ、あの!警察には言ってないですよね!?」

「警察には言っておりませんよ。覚えていないですか?警察には頼らず自分の力で解決するとおっしゃっていたではありませんか。」

なんと、かなり前にお世話になった先生だったのだ。

「あ、あぁあなたはあのときの先生ですね!

忘れていてすみません。」

「いえいえ、あのときのあなたの言葉忘れませんよ。

心を動かされましたのでね」

そんな話をしていたらみにゃが

「ずっと見守ってるから死なないでぇえ!」

まだ泣いてた。

死なないよ。俺はこんなんで死なないよ。「嘘」

「みにゃ、ご主人はそう簡単に死なないよ。」

「そうだよね。うん。死なない!」

「ほら、みにゃも疲れたろう?寝ていいよ。」

そういいながら頭を撫でた。

「にゃぁあぁん」

そう言って眠りに落ちた。

「あなたの彼女さんですか。猫耳つけてると思ったら本物の猫のようで」

「はい、猫人間って猫の擬人化みたいな

ほんと、可愛いですけど凶暴な時も……」

「まぁ、あなたたちならうまくやってけますよ。、明日退院ですよね?」

「はい!」

「良かったですね。お幸せに。それとお大事に。」

「ありがとうございます」

そう言って、先生は出ていった。

ちなみにみにゃは、ラブレターと思っていたがそれは誕生日会の招待状だったんだ。

ハートマークもついてたから誤解したんだろう。

誤解を解くのは難しいって言うけどほんとなのかもしれないね。

でも、あのまま何も言えずに刺されたままだったら俺はこの世に居なかったかもしれない。

それほど、みにゃは恐ろしいけどそれでも俺はみにゃを責めるつもりなんてない。

誰だって、過ちはあるのだから。

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