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自分が亡くなったときの話

短編1
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自分が亡くなったときの話

米国はカリフォルニア州サンタクルーズの話。

ジョーイ・ビーハンという男が遺体で発見された。

自室のソファに座った格好の彼の身体には首から上がなく、頭部は完全に切り離された状態で床に転がっていた。

机の上には

《自分の意思で死を選べないのは、ただ死ぬことより恐ろしい》

《おれは“バンパイア”になるのはゴメンだ》

《誓って言う。奴は神ではない、悪魔だ》

といったような文面の遺書があり、血だらけのワイヤーソーが手に握られていた。

遺書の筆跡は彼のもので間違いなかった。

精神的な疾患をわずらっており、日頃から自殺をほのめかす発言があったことが通院していた医師の証言で判っている。

そして彼には、ある新興宗教との関わりもあった。

その宗教には教義として《神の寵愛を受けた者は永遠の命を得る》というものが存在していた。

仮に自殺が真実なのであれば、彼は皮膚を破り、筋肉を削ぎ、骨を断ち切るまで自らの手を動かしていたことになる。

警察は他殺の線で捜査を続けたが、結局は手がかりがなく迷宮入りとなったという。

Concrete
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