短編1
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ゴミステーション

家の近所のゴミステーションであった出来事です。時刻は朝8時過ぎ、おじさんがゴミステーションの前に立っていました。手を合わせて拝んでいました。この時間は僕が大学へ自転車で行く時に通りがかる時間帯です。

初めの方はそのおじさんを気にせずに大学へ向かっていました。ただ、その日一度ではなく、毎朝8時過ぎにおじさんが手を合わせているものだから気になりました。

僕がそのおじさんのことを父に話してみると父は「飼ってた猫でも死んで捨てたんだろう」と言っていました。そこである朝ゴミステーションの近くで隠れられそうな場所を見つけたので身を隠しおじさんが来るのを待っていました。おじさんは手に何も持っていませんでした。

「あれ?ゴミ捨てに来たんじゃないかな?」と不思議に思いながら見続けていると、、、

おじさんはポケットから何やら黒いものを取り出しました。そして一気に両手でそれを潰しました。

両手を開いて潰れた黒い何かを指でつまみゴミステーションの中に入れ、手についたままの黒い何かはその辺に落としました。

おじさんが帰ったあとおじさんが捨てたものを見るとゴキブリでした。そういえばおじさんは両手をポケットに入れたままゴミステーションに歩いて来ました。おそらく生きているゴキブリを逃さぬように。

Concrete
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