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中編3
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記憶(後編)

Kと僕が小学生の頃。Kが僕とキャッチボールをしているときにKはある女の子を見つけた。Kはその女の子のことを幽霊だったと思っているらしい。Kの話を聞いていくうちに自分の記憶でもその女の子が蘇った僕であった。

僕「これからあるってどういうこと?」

K「あるきっかけで、一つの記憶を思い出したらそこからどんどん関連する記憶が蘇ってくる」

僕「なくした物を探してる途中に思い出したときみたいに?」

K「そう。なくした物を探してる時にちょっと部屋にある他の物を動かしただけで一気になくした物の場所を思い出す時に似てる。」

僕「でもさ、その女の子のこと思い出すだけなら平気じゃね?ノーダメージじゃん。」

K「怖いんだ。あのとき鍵を拾ってくれた女の子の顔が真っ暗だったことが記憶の中のことであれ。」

僕「それが嫌なんか。他になんかされたの?」

K「叫んだ後、離れたとこからNが来ていつの間にか女の子いなくなってた」

僕「あぁ、確かにあのとき怯えたような顔してたな。おれは正面からその子のことを見なかったから、今日Kから話聞くまで幽霊だって認識がなかったんだろうな」

K「今になって思い出したのは特に理由は見当たらない。でもあれは間違いなく幽霊だった。」

僕「信じるよ。あの時あんなに大きい声で叫んでたし、怖いことでもなかったら普通大きい声なんて出さないもん。他の人いるとこで恥ずかしいじゃん。」

K「ありがとう。思い出したら怖くなって話したくなった」

僕「そういうのは話して終わらせた方が良いよ」

そうしてKは一通り話していくらか一緒にゲームした後帰って行った。Kの家は僕の家から歩いて5分くらいな距離だったから何もないだろうと思い一人で帰らせた。しかし、3分ほど経った後、Kから着信があった。息を相当切らしていた。

僕「どした?なんかあった?」

K「女の子!顔無しの女の子とすれ違ったから見ないようにして一気に横を走り抜けた。でも通り抜けたおれにすぐ追いついて耳元で「出てきたよ」って言ってきた。」

Kは相当全力で走ったようだ。息がかなり上がっていた。

僕「今どこ?」

K「自分の家の玄関。とりあえず家に鍵かけた」

僕「とりあえず落ち着いたら玄関に盛り塩して家族にもあったこと話した方が良い。」

K「わかった。」

電話を切る。夕方の時間が終わる頃、高校生の妹が部活から帰ってきた。僕の両親は仲が良くちょうど今日が結婚記念日だということもあり2人で旅行に行っていた。子どもが成人になった日を結婚記念日としたかったと、父か母が前に言っていたことからたまたまではないみたいだ。

妹は帰っくるなり僕に言った。「焼肉食べさせて」と。僕はKのこともあり外出するのが怖かったため、「出前で寿司取ろう」「好きなものいくらでも頼んで良いから」と妹に言った。「じゃあ今度焼肉奢って」と承諾してくれた。寿司が来るまでの間、台所の椅子に座りテレビを見ている妹に今日Kにあったことを話した。

妹「なんでそれ、Kくんが知ってるの?最近うちの高校や近所の小学校で噂になってる女の子じゃない。」

僕「え?そうなん。Kしか知らないことかと思った。その噂はどんなの?」

妹「顔を探してるんだって。会ったら顔を剥がされちゃうの。で、剥がされた人はその子の代わりに誰かの顔を剥がす役目になるってわけ。」

僕「Kがさ。その顔無しの子に耳元で「出てきたよ」って言われたらしい。おれはそれをKの記憶から出てきたって意味だと思った。だから都市伝説的に今の小学生や高校生の中で流行ってるとは思わんかった。」

妹「でも実際にKくんがその女の子にあったんなら噂通りで行けば顔剥がされたはずだけど、そうならなかったのなんでだろ?」

僕はあることを思い出して自分の部屋から小学校の卒業アルバムを持ってきて妹にも見てもらいながら確認した。やはり、小一の頃のKと小二の頃のKの顔は違っていた。妹に確認しても「確かに変わってるね」

と言っていたことから噂は本当だと思った。

Concrete
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