季節は秋、秋になると1週間ほどの「秋休み」というものがある。
秋休みは短いためかあまり宿題が出されない。そのため、秋休みを利用して実家に帰る人が多いのだとか。
きよし「おい、ほんとに行くのか?」
たける「ここまで来て引き返すとかありえないっしょ」
みさえ「タケルの言うとおり。ここまで来て引き返すとかもったいない」
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この三人は中学のときからの親友で大学生になってからもそこそこ顔を合わせている。
この三人が集まると皆テンションが上がり誰も止められなくなる。
今日は秋休みを利用して、たけるが紹介してきた隠れ心霊スポットに来ている。
ここは主に丑の刻参りで有名なようで、かなり、成功する確率が高いらしい。
それとともに霊がでるとの噂もあるらしい。
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丑の刻参りを知らない人のために一応説明。
白装束を着る。顔に白粉を塗る。歯はお歯黒、濃い口紅、頭に鉄輪(かなわ)を逆にかぶる。鉄輪の3つの足にろうそくを立てて口に櫛(くし)をくわえ、胸に鏡をつるして神社のご神木や鳥居に藁人形を五寸釘で打ち付ける。
これを連日繰り返すと、7日目の帰りに黒い牛が寝そべっており、それをまたぐと完了。
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しかし、ここの地域での丑の刻参りは特殊で神社などでするのではなく洞窟でするらしい。
たける「さあ、まずは1日目だな」
きよし「まじで7日間すんの?」
たける「毎日夜、決まった時間に決まった格好で釘打つだけだろ?楽勝だって」
みさえ「てか誰呪うの?」
たける「うーーんじゃあ適当に呪うか、、どうせ何もないし」
きよし「まあ誰でもいいんじゃね」
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きよし「よし、準備完了」
そして、きよし達は毎日藁人形に釘を打った、、、。
釘を打ったのはきよしでその他二人はそれを見てる形になった。
毎日釘を打たれ続けた藁人形は次第に醜い姿になり、6日目にはかなりの量の釘が刺さっていた。
きよし「よし、今日で7日目だ」
たける「別に霊も出なかったし大したことなかったな」
みさえ「たしかにねー」
きよし「さて、これが最後の作業だな」
そう言ってきよしは釘を打ち始めた。
かん、かん、かん、かん、一定に響く釘の音。
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きよし「終わった〜」
たける「お疲れ様、何もなかったな」
みさえ「ちょっと残念、私少し期待してたのになあ。せっかくだしこの洞窟の前で記念撮影し
ようよ。きよしはそのままの格好でいいよ、なんかいい雰囲気出るし」
たける「じゃあ、俺達は洞窟の前で待ってるから、荷物持って早く来いよ」
きよし「了解〜」
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。。。。。。。。。
みさえ「きよし遅いね」
たける「だな」
みさえ「どうしたんだろう?少し見てこよっか」
みさえがそう言った瞬間だった、、
「ぐわああぁぁぁぁぁ」
洞窟の中から凄まじい悲鳴が聞こえた。
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みさえ「え?きよしどうしたのー?」
たける「ちょっとやばくねえか?見に行くぞ。」
そう言って二人は洞窟の中へ小走りで走っていった、、、二人が洞窟に入るとそこにはきよしが倒れていた、、そしてきよしの上には釘が大量に刺さった藁人形がいた。
みさえ「え?ちょっとどういう状況?ドッキリなら早く起きてよ!」
きよし「に、、、げろ、、、」
たける「は?何言ってるんだよ?いたずらもいい加減にしろ!」
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ぎぎぎぎぎぎ、、、
「え?」
たけるとみさえがきよしに怒鳴っていると、藁人形が一人でに動き出した、、
二人は明らかに動揺した。
藁人形はそんな二人を無視してきよしの口を掴んだ。
「ぐわあぁぁぁ」
痛々しいほどの悲鳴が上がる。
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ぐぎぃぃぃぃぃぃ
藁人形がきよしの口をの中に入り込み始めた。
たける「や、、やばいよこれ、、」
みさえ「に、、、、にげよ、、」
二人は逃げようとしたが恐怖で足が動かずその場に立ち尽くすことしかできなかった。
そうしてる間にも藁人形はきよしの口に完全に入り込み、姿が見えなくなった。
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そして、藁人形が入り込んだきよしの体が徐々に痙攣し始め最後には動かなくなった、、と思ったらまた動き始めた、、、しかし動き方はあまりにも不自然で奇妙だった。
たける「あ、、、あれ、もしかして取り憑かれてるんじゃ?」
みさえ「う、うん、多分そう、、、」
たける「だったら、俺達襲われるんじゃね?」
急いでたけるとみさえは逃げした。しかし「ききぃぃぃぃーーー」
と機械音のようなけたたましい声とともにきよしが迫ってきた、、
たける「うっ、何だよあの速さ。運動音痴のきよしじゃねえ!」
みさえ「どうすんの!?あんなのから逃げ切れないよ」
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たける「もうだめだ、、、諦めよう、、」
みさえ「えっ?そ,そんな、、、」
そして、きよしが二人の手の届く位置まで来たとき、、二人は諦めて目を閉じた。
しかし、いつまで立っても襲いかかっては来ず、、いつしかきよしの気配は消えていた。
みさえ「きよし、、、どこに行ったの?」
たける「たぶん、、洞窟から出たんだと思う。。」
みさえ「た、、、助けなきゃ。早く追うよ!、急いで!」
たける「無理だって、あれみただろ、もう正気じゃねえ。居場所だってわからねえ。あの速さだったらもうとっくに見えなくなってる、、助けたいのは山々だがそもそも方法がねえ、、」
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みさえ「、、、、、、、、、いや、、一つだけある。今日、山で宝探ししたじゃん、スマホで。そのときになくしたらいけないからって位置情報アプリで位置情報共有したじゃん、多分まだあれ効いてるよ。それを追いかければいいんだよ!こっちには車がある。ただ、、一つ問題があるとすると向こうがそれを知ってたらこっち側の位置情報も見れちゃうってこと、、」
たける「やろう、、一か八かだ。もしかしたら助けられるかもしれない。」
みさえ「うん、やろう!」
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こうしてたけるとみさえは位置情報をたどってきよしのことを追った。
たけるが車を運転している間、みさえはスマホで藁人形のことについて片っ端から調べていた。
みさえ「ねぇ、今回の藁人形ってどこで買った?」
たける「え?藁人形は、えーーっとね、、あっそうそうネットショップで買ったよ」
みさえ「うん、やっぱそうだよね」
たける「やっぱって、だってそこらに藁人形なんて売ってないだろ。調べてみたら、たまたまかなりの数の藁人形が売り出されてたから買ったんだよ」
みさえ「たぶんね、それが原因」
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たける「はっ?どういうことだよ」
みさえ「今ねツイッターで少し情報を共有したの、そしたらねこういう意見が出てきてさ。結構本当の情報っぽいから、、、多分この情報が本当ならきよしかなりまずい状況かも」
たける「もったいぶらずに教えろよ」
みさえ「実はね秋にネットショップに売られてる藁人形って農家の子どもたちがお小遣い稼ぎや人々の健康を祝って売り出してるらしいの。つまりそれに釘を刺すということは子どもたちの様々な思いを踏みにじってるの。でね、それが恨みとなって藁人形に魂が宿る、、そしてたまりに溜まった恨みを釘を刺した本人に取り付いて晴らすらしいの。」
たける「つまり、、今きよしが向かっているところはきよしが呪った相手ってことか」
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みさえ「当たり。でね私のスマホ見てよ、きよしのこの位置、、前言ってた別れた元カノの住んでるマンションに近づいてる気がするの」
たける「マジかよ、てことはあいつ最初からこの儀式が成功すると思って呪う相手をちゃんと決めていたのか。ただまさか自分に取り付いてくるとは誤算だったようだな」
みさえ「たける、スピード上げて!早くしないときよしの元カノが危ない!」
たける「そうだな、急ぐぞ」
separator
まなみ「ルンルんるーん」
’ぷるるるる’ ’ぷるるるる’
まなみ「はーい、けんくーん?」
’うんうんそうだけど。そういえば前言ってたストーカーの話もう大丈夫か?’
まなみ「うん、一応最近は来てない、本当にあれ怖かった。私達がもう付き合ってるっていうのに何回も告白してきて断るたびにストーカー行為がエスカレートしてきて。最終的には家に入ってくる始末だし。あのときけんくんがいなかったら私やばかったかも。ほんとアリガト。」
’別に大したことしてないよ、まなみを守るのは恋人の俺なら当然だろ’
’ぴーんぽーん’
まなみ「あ、誰か来たみたい。ごめん電話切るね。また今度ゆっくり話そうねバイバーイ」
まなみ「よしっと。はーいどちら様ですかー?」
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
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まなみ「ん?どちら様ですかー?」
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
まなみ「いたずらかな?」
そう思ってまなみはドアを開けた。
「きぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっぃぃぃぃ」
まなみ「きゃっ。あなたは、、前私のことをストーカーしてた、、。お、お願い何もしないで」
「きぃぃっぃぃぃぃぃ」
まなみ「こっこないで!」
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まなみは部屋の奥に逃げるが機械音のような音はだんだんと近づいてくる。
「き、き、きぃぃぃぃぃっぃぃ」
まなみ「も、もうだめだ、、、殺される。。。。。。ん?声がしなくなった?もしかしていなくなったのかも」
そう思ってまなみが顔を上げると
「きぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっぃぃぃぃぃぃぃぃ」目の前にはきよしがいた。
まなみ「きゃあーーーーーーーー」
「とりゃーーーー」
ばさっばさっ。
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まなみ「え?何が起こったの?」
たける「よしっ。少し危なかったな」
みさえ「ふーーこれでしばらく眠ってな!」
そう言ってみさえはきよしの口になにかの薬を押し込んだ。
しばらく暴れていたきよしだったが次第におとなしくなりついには眠った。
まなみ「あ、あなた達は?」
たける「あっそういえば初対面だね。僕たちはきよしの友達。名前はたける」
みさえ「私はみさえ。とりあえず睡眠薬で眠らせといたからしばらくは起きないと思う。途中急いで買い物してきてよかったー」
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まなみ「あ、ありがとうございました!」
たける「まあ助かってよかったけどさ、なんであんたをきよしが呪おうと思ったわけ?」
みさえ「そうよ、あんたたち何したのよ?同意の上で別れたんじゃないの?」
まなみ「じ、実は私達元から付き合ってなんてないんです」
「え?」
みさえとたけるは少し驚いていたが
みさえ「じゃあどういうことよ」
たける「きよしは付き合ってるって言ってたぞ」
するとまなみがいままでの出来事を話してくれた。。。
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みさえ「はっ?ナンナのホントに!きよしの迷惑行為で私達まで巻き込まれたの?」
たける「こいつ起こして説教したる」
まなみ「いや、説教するのはいいのですがまだ呪いがかかっているのですよね?一体どうやって解くのですか?」
みさえ「ちょっと見てなって」
そう言うとみさえは塩を取り出しきよしの口に詰め込んだ。
そして1分ほどした頃にきよしのほっぺたのあたりに火のついたマッチをなすりつけた。
きよし「あっち!」
まなみ「わっ。呪いはどうなったの?」
たける「どうやら呪いを解く方法は本当だったようだな」
きよし「うわ、しょっぺー。しかもほっぺたやけどしてる。お前ら何してるんだよ!」
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たける「それはこっちのセリフだ!!」
みさえ「そうよ!あんたこそ何してるのよ!」
それからきよしはさんざん説教をされ、トボトボ家に帰っていった。
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みさえ「はー今回は結構やばかったわね」
たける「そうだな」
きよし「す、、、すまなかったな」
たける「ほんとに反省してんのか?」
みさえ「ねーーーうさんくさ」
きよし「ホントだってほんと!まじで反省してるよ」
3人の関係は相変わらずでまだたまにみんなでご飯を食べに行ったりする。
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今回の話で皆さんもわかったと思いますが、藁人形は子どもたちの思いが込められています。
みなさんもその思いを踏みにじるようなことをしないことです。
もししてしまったら、、、、
作者イカスミ
久しぶりの投稿です。
最後まで読んでもらえると幸いです。
訂正箇所ありましたらコメント欄でお伝えください。
3月13日訂正
訂正箇所2ヶ所
他にも訂正箇所がありましたらコメント欄にて発言お願いします。