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中編5
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学校の怪談

学校というのは昔から怖い話の舞台としてよく出てくると思います。最近違う県に住んでいた友人から面白い学校の怪談を聞いたので紹介します。友人のことはKとします。

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これはKが小学生の時に体験した話です。Kの小学校は田舎にあり不思議なクラス分けがされていました。普通の学校であればA組B組C組という風に分かれていますが、Kの小学校はA組とC組はあるのに間のB組が抜けていました。

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さらに不思議なのがA組とC組の教室の間には一つ使われていない教室があるのです。しかも一年生から六年生まで全ての学年でそうなっています。

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僕はそれを聞いた時に「いや間の教室がB組じゃん!」と突っ込んでしまいました。するとKは

「そう。おれたちもそう思ってたから先生に尋ねたことがある」

僕「それでどうだったの?」

K「先生の中の「誰も知らないって言うんだ。その教室は変なものでさカーテンが全ての窓にかけられてて中は見えなくなってた。」

僕「じゃあ中に入ってみたりする人はいなかったん?」

K「鍵が閉まってたし、開ける鍵も存在しなかった。」

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K「しかも立ち入り禁止と二つある出入り口のガラスに貼りついてた。」

僕「でも好奇心で窓ガラス割って入るアホもいたんじゃない?」

K「うん、いたよ。死んだけどな」

僕「え??死んだ?」

Kがあまりにもさらっと死んだと言ったことに僕は驚きました。

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K「うん、そう死んだ」

僕「でもなんで死んだことがわかるの?」

K「遺体が見つからなかったから確実とは言えんけど、学校で見かけなくなったり家にも帰ってなかったりしたことから死んだとしか思えない。」

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僕「両親とか心配して警察に届けてその問題の教室を調べたりしに来ないの?そもそもその教室に入ったかなんてなんでわかったの?」

K「もちろん警察に捜索願いを親が出して地域やあの教室も調べた。そしたら教室はA組やC組と同じ感じのものだったしなんの変哲もなかった。ただ、、、」

僕「ただ?」

K「いなくなった子どもが身につけていた物が教室の教卓の上にあったらしい。足につけてたミサンガ」

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僕「それが証拠になったわけか」

K「それ以降もしばらくは警察や両親がいなくなった子どもを捜してたみたいだけど見つからなかった。だからおれらの間ではあの教室で死んだという説が有力になった」

僕「はー不思議な教室やな」

K「そういうことが過去に何件かあったりおれらの時にもあったから誰もあの教室に入ろうとしなかった」

僕「それでKが体験したのはどんなの?」

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K「おれたちはあの教室は何のためにあるのかという正体を知った」

僕「実際に入ってないのに?」

K「そう。夏休みに祭りがあって学校の屋上から花火が綺麗に見えるから友達2人と3人で眺めてた。親からは危ないからって3人ともケータイを持たされてた」

僕「うん、それで?」

K「それで、ひとしきり花火を見たから帰ろーってなって屋上から降りてた。そしたら明かりがついてるのが見えて確かめたらA組とC組の間の教室からだった。おれたちは怖いけど好奇心が強くて見に行った。」

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K「お化けが出てきたら怖いからケータイでライトをつけて3人とも屈みながら真ん中の教室に近づいて行った。恐る恐る前の黒板側のドアのガラスへ近づいて下から覗いて見たら、いつも閉まってるカーテンが空いてた。」

僕「中見たの?」

K「うん、ちょっとずつ3人で下から見た。そしたら、、、」

僕「そしたら?」

K「机に生首がたくさん置いてあった。教室にある机全てに」

僕「キモ!」

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K「おれらめちゃくちゃ怖くなってすんごい叫び声上げてしまったんよ。そしたらな?その生首たちが一斉におれらの方に顔向けて睨んできた。それでぶつぶつとめちゃくちゃ早口で何か言ってたんよ」

僕「怖い〜怖いわ。」

K「もう怖かったよホンマ。3人とも怖すぎて固まってた。逃げたいのに足が動かんの。それでだんだんと生首が言ってる声が聞こえて来て」

僕「なんて言ってた?」

K「『出たい出たい出たい出たい出たい』って言ってた。」

僕「それでその教室の正体は?」

K「それは黒板にあった。黒板には解体部屋(頭)って書かれてた。だからたぶん昔に解体部屋として使われてた」

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僕「なるほどな頭を切断する部屋だったんか」

K「その生首の中にはおれらの代で行方不明になった子どもの顔もあった。生首たちは出たいと言うだけで出て来れないみたいだったからおれたちはほんの少し安心して足が動かせるようになった。」

僕「もう早く脱出してほしいわ」

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K「3人で固まって階段へと向かった。コケたら危ないから階段の明かりをつけた。それで階ごとの中間地点にある鏡が見えたんだけど本当に嫌になった。」

僕「なんか映ってたの?」

K「そう。それがあの教室の正体を裏づけるものだった。まず6階と5階の間の鏡には猪の顔。5階と4階には人間の胴体、 4階と3階には左腕、3階と2階は右腕。2階と1階は左足、1階から0階には右足」

僕「いや、待って。そりゃおかしい。0階なんて存在しないはず」

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K「そう。おれらも危なかった。友達の1人が今何階にいるのかを確認してくれてたから右足を見た場所で「戻ろう!ここはおかしい!」って言ってくれたからその先に行かずに済んだ。戻ったら3人の両親と先生がいた」

僕「良かったな生きて戻れて」

K「すごい叱られたよ。3人とも」

僕「まぁそうやろな。それで問題の教室は今どうなったん?」

K「それがさ、こんだけ話しておいて悪いけど。そんな教室存在しなかったんよ。」

僕「え?どういうこと?警察入ったりとか子どもの遺品が出てきたりしたんじゃないの?」

K「警察が学校に来たのは合ってるけど遺品が出たのはその子がいたクラスの掃除用具入れの中。どうりで真ん中の教室のことを先生に聞いても知らないはずだよ。」

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K「だってそもそも存在しないんだから。ただ小学生の目には見えるし存在も確認できるみたい。おれ中学の時にあの時のメンバーと小学校行ったけどA組とC組の間に教室なんてなかったもん。おれらの小学校はもう廃校になって取り壊された。」

僕「でも遺品のミサンガは真ん中にある教室の教卓の上にあったって言ってたやん。」

K「それはおれらの中ではそういう認識だっただけのこと。おれもいなくなった子の顔は知ってたけど、遺品が出てきた場所については噂で聞いたからな。」

僕「じゃあその噂を流した人は誰なんかな?」

K「そこまではわからんな。でもみんなあの教室でいなくなった噂を信じたよ。興味を持つ人もいた。」

僕「その教室にいる何かが子どもに好奇心を持たせて誘い込んでるのかもな」

K「それはあるかも知れん。今となっては確かめようのないことだけど。」

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