ある男性の体験談です。
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AIスピーカーってあるじゃないですか。
「音楽流して」とか、「テレビつけて」とか言うと家電を操作してくれる、あれです。
そのAIスピーカーをこの彼も使っていたんですね。
特に照明のON,OFFに。
「電気を消して」って言うと、ピロンと音がして部屋の照明が消えるんですね。
彼は寝る際、ヘッドホンで音楽を聞くのが習慣になっていたんです。
なので毎晩ベッドに入って布団を被り、ヘッドホンをつけてスマホで音楽を再生、曲を聞きながらAIスピーカーに明かりを消させて眠りにつくという流れができていたんです。
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その日も布団を頭まで被って暗い中でスマホをいじり、音楽をかけました。
大好きなアーティストの曲がヘッドホンから流れてきます。
そのまま布団の中から目を瞑って「電気を消して」とテーブルに置いてあるAIスピーカーに指示を出しました。
でもなんだか、目蓋を通して光を感じるんです。
目を瞑っていても多少明るさって感じますよね。
彼、目をうっすら開けると布団の隙間から光が漏れてたんです。
やっぱり電気が消えていない。
彼は半目のままもう一度「電気を消して」と言いました。
しかし、照明は煌々と点いたままなんです。
ちゃんと作動してないのかなと思い、あのピロンという音を確かめるためにヘッドホンを外し、AIスピーカーに話しかけました。
「電気消して」
「……いいよ」
ピロン
作動音の直前、低い女性の声が部屋の中で聞こえ、そのまま部屋は真っ暗になりました。
作者千月
この話、本当は創作のつもりだったんです。
でもこれを書いてる途中、部屋の照明が一段階暗くなったような気がしました。
リモコンで操作したときのようにいきなり暗くなったのではなく、数秒かけてじんわり明るさが変わった気がします。
うちの照明は明るさが五段階にわかれているので、私の気のせいかもしれませんがね。