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短編2
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決心

リモート飲み会からリアル飲み会が出来るようになったということで、久しぶりに仲間たちと集まって行きつけの居酒屋に飲みに出かけた。

数件はしごするうちに7人いた仲間も4人にまで減ったが、それでも飲み足りない俺たちは、コンビニでビールなんかを買い込んで、俺のマンションへ移動した。

楽しくてこれは朝までコースかなと思ったが、一人がソファーで眠りだすと続けざまに各々がリビングの好きな場所で雑魚寝を始めた。

朝方目を覚ました俺は、薄暗い部屋の中で、友達の足を踏まないよう注意しながらトイレにいった。

だが、用を足しながらゆっくりと覚醒していく頭の中にふと違和感がよぎった。

今、俺の部屋で寝ている友達は3人のはずなのに、さっき見た時、確実にもう1人いた。あのテレビの前に寝転がっていた男の背中に見覚えがない。あれはいったい誰だったか?

まだ完全に目が覚めていない脳みそで時間をかけてゆっくりと考える。

しかし、考えても考えても納得のいく答えが出せずに、俺はもう30分もこのトイレにこもっている。

非常に情けないが、あと1時間もしたら夜が明けるはずだから、このまま部屋が明るくなるまでここに隠れていようかと思った瞬間、突然のノックに俺の心臓が跳ね上がった。

「…ねえ変わってくんない?」

ドアをへだてたこの聞き覚えのない小さな声で俺の決心はついた。

別にビビっているわけではないが、今このドアを開けても絶対にいい事なんてないはずだから俺は開けない。幸いクセで手に持っていたスマホがあるから、1時間くらいならこれで時間も潰せる。そう考えたら気持ちが幾分楽になってきた。

コンコン

いやいや、何度ノックされても答えは同じだ。もう一度言おう。別にビビっているわけではないが、俺は朝まで絶対にここから出るつもりはない。

Concrete
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