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中編3
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助けて

あるところに一人の女がいた。

彼女は普通に結婚し、普通に幸せな日々が続くものだと思っていた。

子供が生まれ、初めての育児。

こんな愛おしいものがこの世にあることを知り、神様に感謝した。

しかし、彼女に思いもよらない出来事が起こる

ご主人が豹変した。

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出逢いは今から18年前くらい

友達の紹介で知り合い、直ぐに意気投合。

同棲→妊娠→結婚と、ありきたりな過程。

そして、事は起きる。

どうしてそうなったのか分からないくらいの些細な事がきっかけだった。

気がつくと彼女の顔には大きな青アザ。

そう…ご主人が彼女に暴力をふるった。

それからずっと事あるごとに当たり前のように暴力をふるわれるようになった。

人間というものは不思議なもので、1度まかり通ってしまうと、どんな理不尽も当人にとっては正義になってしまうことがあるようだ。

ご主人は彼女にいう

「お前がすべて悪い。俺はお前を教育してやってる」

若くで結婚して世の中を知らない彼女には、ご主人の言うことが正しいものだと疑うことがなかった。

「私が悪かった」

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それから、時は経ち、二人目の子宝に恵まれる。

更に更に時間は過ぎて行く。

一人目の子供が反抗期に差し掛かる頃にまた事件が起こる。

門限を破って帰りが遅くなった子供に…

怒り狂ったご主人がゴルフクラブで襲い掛かったのである。

彼女はやっとここで気づき始めたのである。

「この人といたらいつか殺される」

それでも、まだ家を出ていくことや離婚することまで考えることはなかった。

何故なら子供を抱えて自分一人で育ていく自信がなかったからだ。

結局、彼女も自分のエゴでご主人にしがみつくことしか出来なかったということだ。

既に彼女は暴力をふるわれることに慣れてしまっていたのだ。

最初の方は何度も伝えた

「お願い。そんなことされると言いたいことも言えなくなるからやめて」

「私は殴られてもいい。子供に手を出すのはやめて」

何一つ伝わらないのである。

ご主人は暴力=正義と思って疑うことがないので彼女の言うことが心に響かないのである。

でも、彼女にも少しの希望があった

暴力ふるわず、どうにか怒りをおさめようとするご主人姿が見られることが多少なりともあったので彼女にとっては少しの「救い」となる。

だが結局のところ、人間の本質とは口で何を言っても変わることはないことは彼女はあとになって気づくこととなる。

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「ホントにごめん。二度と暴力はふるわん。」

どうやってこの言葉を信じろというのだろうか?

どうしてこうなってしまったのだろうか?

何度、この光景を見せられるのたろうか?

沢山の疑問符達が頭の中を駆け巡る。

最初が肝心だったのだ。

初めて暴力をふるわれた時に逃げ出すべきだったのだ。

「助けて…誰か助けて」

と心の中で叫び続けていた。

まず両親に相談した。

「子供が大きくなるまで辛抱しなさい。」

「大人の都合で子供に悲しい思いをさせたらダメ」

親の言うことだ。間違いない。

そう思うことは出来た。

こんな人だから「離婚」なんて話になれば何をするか分からない。

親には迷惑かけられない。ずっとそう思って過ごしてきた。

でも、更に驚くべきことはまだまだ続くのであった。

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続く

 

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