異界駅「霧島駅」へ行ってみた。

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異界駅「霧島駅」へ行ってみた。

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異界駅「霧島駅」へ行ってみた。

皆さんは異界駅の1つである「霧島駅」をご存知だろうか。

わからない方の為に説明しておくと…

「きさらぎ駅」と同じように実在しない駅の1つで、埼玉県東吾野駅ー吾野駅間に霧の中から現れる幻の駅のことである。

詳しくは「霧島駅」と調べて頂ければすぐにヒットすると思うが、

私がこの話に興味を持ったのは先月のこと。

怖い話を読んでいてたまたま出会ったこの話。

私は以前から異界駅や異世界にまつわる怖い話が大好きで、1回自分で遭遇してみたい、と思っていた程でした。

この異界駅の舞台は埼玉県であり、偶然ながら自宅から2時間も掛からない程の場所でした。

これは行くしかないと思い、予定を練っていたのですが、

つい昨日の晩、行けることになったので行ってきました。

※当方高校生で、自由に夜の外出などはできません。

ですが、先週から親が緊急入院してしまい親が家におらず、

1人で家を任された為に行くことが出来ました。

もちろん親には言えません。

〜〜〜ここからが本編です〜〜〜

さて、実際に「霧島駅」なる駅がある場所に行ってきたのですが、順を追って説明します。

私は確実にこの怪異に出会う為、この話の投稿者と同じ条件で挑みました。

条件は以下の3つ。

・1人であること。

・友人と遅くまで飲んでいて疲れて眠かったこと。

・それ故に「飯能駅」発「西武秩父駅」着の終電に乗ったこと。

1つ目の条件は何ら問題ありませんが、2つ目が厳しかったです。

私は未成年で飲酒できませんので、友人と遅くまでジュースを飲みながらLINE電話をしました。

もっと厳しいのは3つ目。

この話の投稿者の言う通り、23時過ぎくらいの「飯能駅」発の終電が実際にありました。

が、もしもこの電車に乗ってしまうと終電であるが故にその日のうちに帰って来れないのである。

タクシーは高校生には高すぎるため、最悪どこかの駅前で朝まで待機してもよい。

それほどの覚悟で臨みました。

友人との電話が終わり、22時前に家を出ました。

飯能駅に着いたのが23:08で、終電の23:18まで10分程ありました。

ここで先ほどコンビニで購入したおにぎりを頬張りながら終電を待ちました。

23:18、投稿者が乗ったと思われる「飯能駅」発の終電が来ました。

私はとても眠く疲れていましたが、

実際に異界駅「霧島駅」の舞台に行けると思うとワクワク感の方が上回っていました。

電車は時刻表通り進んでいき、ついに23:32、「東吾野駅」に到着しました。

この投稿者の話では23:37の「吾野駅」に到着する前に10分以上かかり、

途中で「霧島駅」なる異界駅に到着するはずです。

現実を言ってしまい申し訳無いのですが、結果から言います。

「霧島駅」には止まりませんでした。

「そりゃそうだよな、来た私が馬鹿だ。でも楽しかったからいいや」

そう思い、折角ならこの駅周辺の探索でも、と「吾野駅」で下車しました。

下車すると周圍は山?で囲われており、この駅で下車したのは私1人でした。

考えたらこの時点でおかしかったんだと思います。

投稿者の話でもこの駅では数人降りたらしいですし、ここに住んでもいない私だけが下車するなんてあり得ません。

降りて暫く線路沿いを「東吾野駅」方面へ探索していると、歩いて5分弱くらいの場所にある山から異常な雰囲気を感じました。

私は霊感はなく、そう言った類いのものを感じる事はまずありません。

ですがこの時ばかりは、「この先ヤバイ。何かある。」と本能的に感じたのです。

行ってみたいという好奇心と行ったらまずいという不安感が心の中で錯綜していましたが、結局行くことに。

貴重な1日を潰して来ているのだから、折角なら見れるところは全部見よう、という考えでした。

先に進むと、もちろん外灯などはなく、一寸先は闇といった感じ。

後ろを振り返っても森、前を見ても森でした。

歩くことおそらく1〜2分、ほんの少しだけ開けた場所に着き、その空間の前に古びた鳥居が姿を表しました。

事前に「吾野駅」周辺は調べており、神社が数個あるのはリサーチ済みでした。

が、この神社(?)は明らかに雰囲気がおかしく、「厳か」というよりも「禍々しい」といった言葉が似合う感じ。

鳥居を抜けると、しめ縄の締められた(と言っても、普通想像するような太い大木ではなく、そこら辺にある普通の木と同じように見える)木と、その横にかなり小さな祠がありました。

この神社の名前を確かめてやろうと探索していると祠の後ろに怪しいお札が。

ほぼかすれて読めませんでしたが、iPhoneのライトで照らして読むと、

「 島 霧 (?) 蔵 (?) 封」

の文字が。(?)はかすれ過ぎて読めなかった文字です。

右から読むと「封(?)蔵(?)霧島」となり、語尾にあの「霧島」が。

ここで驚くべきなのだと思いましたが、その時の私は驚きよりも興奮の方が上でした。

「封」って事はもしかして封印か?

右読みって事はこのお札は戦前のものか?

などと考えているうちに、妙な不安感が私を襲い、早くこの場から出た方が良いのではないか。

などと思い始めました。

考えてみると昨日は猛暑日で、夜は物凄く暑かったはずですが、

下車してからは驚くほど空気がひんやりしていた記憶があります。

直感的に「なんかやべえ」と感じ、一目散に来た道を走りました。

おそらく2〜3分走り、「吾野駅」が見える場所まで来てようやく立ち止まり心を落ち着かせました。

ですがここで、「ん?なんかおかしいな。」

と思いiPhoneを見てみると…

時刻は4:57、辺りが明るくなり始めていました。

そんな馬鹿な、意味がわからんと言った感じ。狐につままれたとはまさにこの事だな、と思いました。

私が「吾野駅」を下車したのが23:37であり、いくら時間がかかっても0:00過ぎには駅に帰っているはずなのですが…

さっき行った場所が妙に気になり、またその神社があった場所まで戻りましたが…

今度がそもそもその森がなく、異常な雰囲気も感じませんでした。

私は今吾野駅5:26発の電車に乗り、自宅に向かっています。

あと30分ほどで最寄駅に着きますが、忘れないうちにこの出来事を投稿しておきます。

私は異世界にでも行ったのでしょうか。

神社で感じたのあの全身で感じる変な感覚が忘れられません。

今思いましたが、写真を撮り忘れました。

あの時写真を撮っていたらどんな風に映ったのでしょう。今思っても後の祭りです。

あともう1つ。

これを書いていて思ったのですが、

「封(?)蔵(?)霧島」

はもしかしたら「封武蔵國霧島」ではないか。ここは埼玉県なので旧国名は武蔵國です。

そんな妄想をしながら電車に揺られています。

もうすぐ私の最寄り駅に到着です。

こんな体験をしたせいか、モンスターエナジーを飲んだせいかは分かりませんが、今はとても目が冴えています。

また今度、県外の異界駅にも行ってみようかな、

でもまた何か起きたら怖いな、などと思いながら。

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